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備前・旭川の憂鬱 (「日本はもはや後進国であると認める勇気を持とう」 19-89) [日記・雑感]

 
〝日本はもはや後進国であると認める勇気を持とう〟は先日、孫正義氏のご発言です。日本人の方々には、かなり刺激的に捉えられたのではないかと思います。

20数年前の現役時代、成田空港へのタクシーで運転手殿が筆者に話しかけてきました。〝この日本はいつまでもちますかねえ?〟と。世の中の最前線で働いている方々は、既に気が付いていたのです。筆者は運転手殿の真面に話ができる知識も見識もなかったのですが、なんとなく〝10年ぐらいかな!?〟と話したことを覚えています。

この頃は「失われた10年」と言われていました。その後、失われた20年とか30年、になりました。


孫正義氏の主張される〝先進国・後進国〟の定義が明確ではありませんので、〝認める勇気を持とう〟と言われても、少々困惑します。

この件に対して正面から議論している言説を見つけました。それは、加谷珪一(かや けいいち)氏のNewsweek紙への次の投稿、2本です。

『日本はもはや後進国であると認める勇気を持とう』
https://www.newsweekjapan.jp/kaya/2019/08/post-78.php
『「日本はもはや後進国であると認める勇気を持とう」への反響を受け、もう一つカラクリを解き明かす』
https://www.newsweekjapan.jp/kaya/2019/09/post-79.php


筆者は以前よりSBの経営方針や実態に疑問を持っていました。ただし20年前のお話しではあります。例えば工場や病院で携帯電話を場内・院内で連絡用で使用する際、通話品質が著しく劣る、つながらないといった実例が多発しました。

またSBは〝自身ではイノベーティブな開発はしないので、常に虚業である〟すなわち、他人が苦労して開発した果実を並べてプラットフォームを作り、それで金儲けをしている単なる銭ゲバ、と思っていました。


詳細は加谷珪一氏の投稿が納得できる説明をされています。詳細は原本を参照ください。

バブル期を経て、社会が多少、豊かになり、日本人は自らの技術力を過信し、昔から傑出した技術大国であったという錯覚を持つようになってしまった。この基本認識の違いが、現状維持のバイアスを強く発揮することになり、結果として孫氏が指摘するように「衰退産業ばかりにしがみつく」結果をもたらしている。

もはや投資会社に変貌しているソフトバンクに対しては、自らは技術を開発しないという点で、常に虚業であるとの批判が寄せられてきた。だが、モノマネに代表されるように、自身ではイノベーティブな開発はしないものの、アイデアと狡賢さ、そして行動力で勝負するのが日本企業の強みであるならば、実はソフトバンクというのは、典型的な日本企業とみなすこともできる。

これには若干異論があります。まったくのモノマネではありません。いわゆる「改善」、それも「オリジナルを凌ぐ改善」をやって来ました。

インテルがCPUの基本技術を開発するにあたっては、渡米してインテルに採用された日本人技術者が大きな役割を果たしている。個人の才能を企業や国家に生かせない日本の欠点も昔から同じである

厳しい現実だが、正しい戦略を立てるためには、現状を正しく認識することが重要である。日本がこれ以上、貧しい国にならないためには、大国であることを前提とした企業戦略や国家戦略をゼロから見直す必要があるだろう。

これらの主張は、小西美術工藝社社長のデービッド・アトキンソン:David Atkinson氏、イギリス出身の主張と被るものがありますので、ほぼ正しい認識なんだ!と思います。かれは日本の成功を〝人口のボーナス〟と言っています。


以上は「理」での説明です。これからは「情」の説明です。「理」はフロー、「情」はストック、と考えてもいいと思います。

最も評判の良い国、Most Reputable Countries 2018です。ご覧の通りです。

A_MRC's - コピー.png


(CNN)英誌エコノミストの調査部門、エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)が世界の都市の住みやすさを比較したランキングで、オーストリアの首都ウィーンが昨年に続いて首位となった。2019/09/05 とあります。

世界140都市について安定性、文化と環境、教育とインフラ、医療の各部門を採点し、毎年順位を発表しているそうです。

 1位:オーストリア・ウィーン
 2位:オーストラリア・メルボルン
 3位:オーストラリア・シドニー
 4位:日本・大阪
 5位:カナダ・カルガリー
 6位:カナダ・バンクーバー
 7位:日本・東京
 7位:カナダ・トロント(東京と同点)
 9位:デンマーク・コペンハーゲン
10位:オーストラリア・アデレード

トップ10のうち9都市はオーストラリアとカナダ、日本が占めた。スイスのチューリヒ(11位)、独フランクフルト(12位)

米国のトップはホノルルの22位。英ロンドン(48位)、ニューヨーク(58位)はともに文化のスコアが高い一方、犯罪やテロのリスクがマイナス要因となった。パリも昨年末からの「黄色いベスト運動」の反政府デモで安定性のスコアを下げ、20位から26位に落ちた、そうです。


OECDが2018年にまとめた〝犯罪率〟ランキングは、
D_犯罪率2018OECD.png


文化を示す〝ノーベル賞受賞者数〟ランキングです。
B_ノーベル賞ランキング.png


例えば、LEDの発明ではノーベル財団の受賞のスピーチが素晴らしい。20世紀は白熱灯が照らしたが、21世紀はLEDが世界を照らす、と。

そして山中伸弥さんの「i P S」 、国内では色々な適用が進んでいます。特に難病の方々には朗報も散見されるようになりました。

やはり世界から見て〝日本がいないと寂しいね!〟と思わせるような技術立国をひたすら続ける必要があります。それには「文部科学省」の正常化が急務です。いつまでも〝二流官庁〟では国民が困ります。

「ゼニ」では後進国かも知れませんが、総合的に見てやはり日本国は先進国でしょう。



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