福島第一原発にたまり続けている汚染水と呼ばれている〝放射性物質トリチウム(三重水素)〟は写真のような「タンク群」に今後の見通しのないまま〝放置〟されています。

福島民友新聞(2016年3月3日)によれば
◇ 現在の汚染水発生量は1日当たり約500 ton。
内訳は
❖ 地下水流入分が約150 ton、
❖ 護岸から移送した地下水分が約350 ton
となっています。

トリチウムという放射性物質は取り除くことができないため、およそ600k tonが敷地内のタンクにためられたままになっています。こうして、放出の足止めを食っているうちに、「汚染水」は日に日に増加して、溢れんばかりになっています。

もはや、福島第一原発の復旧作業は、廃炉作業ではなく〝タンクのお守り〟ではないかという自嘲すら生まれているようです。





〝放射性物質トリチウム(3重水素)〟とは何ぞや!?を議論しても多分埒が明きません。

そこで〝原発が稼働してから日本を含む世界中の原子力施設は凡て、トリチウムを告示濃度限界の60kベクレルまで希釈してから、海に計画放出し、拡散させて来ました〟と理解したいと思います。


すなわち従来から〝希釈〟して河川や海へ計画放出して来ましたし、稼働を再開した原発もこれに倣っています。これが「現実」です。世界の「現実」をしっかりとご覧ください。





では、トリチウム除去は困難なのでしょうか? 

経済産業省の部会 2016/04/19 は〝東京電力福島第一原発にたまり続けている低濃度の汚染水対策で、〝放射性物質トリチウム(3重水素)〟の分離・除去は困難である、との評価をまとめました。

汚染水は〝多核種除去設備ALPS(アルプス)〟で取り除いていますが、トリチウムは水分子をつくる水素そのものが放射性同位体化したもので、いまある設備で分離するのが困難でした。さらに5つの処分方法を検討した結果、水で薄めて海に放出する方法が最も短期間で安く処分できると評価した〟とあります。


何故このような理不尽で不条理な事が延々と続いているのでしょうか!?一義的には事故発生当時の東京電力の対応・措置に地元民や国民が不信感を抱いている事が大きいと思います。

しかし一方、日本には「反原発活動家」がいます。最近では元総理3名までもが反原発を言い出しました。結局〝反原発運動〟の格好の【錦の御旗】となってしまった事が最も大きいと思います。彼らは社会の仕組みを破壊することを目的としていますから...

勿論、漁業者の方々に対する「風評被害」も大きいと思います。

解決法は、世界に〝ひ・と・つ〟しか存在しません。国際ルールに則って、希釈して海に放出することです。これ以外にあり得ません。



<追記>08/21/'18

8月20日報道で「トリチウム汚染水」にさらに他の放射性物質が含まれている事が判った。さあ、どうする!?というものです。




筆者の結論は、ヨウ素129を考慮して〝10倍に希釈して放出〟です。余りにも「ゼロ〝0〟リスク」を追求し過ぎです。これでは医療の手術もPM2.5も総て〝ゼロ=無し〟にしなければなりません。