以前当blogでもFCV(fuel cell vehicle:燃料電池車)技術の鉄道車両への展開、特に地方線を〝LRT化〟しようとする計画では、架線を張る工事が不要、すなわち街や田園の景観を毀損しないFCV技術が面白いと思い https://ironbridge-uk.blog.ss-blog.jp/2018-04-05 で取り上げました。

昨日2020/10/06 Twitterの上で小口貴宏さん投稿、Engadget 日本版@engadgetjp
〝JR東日本やトヨタなど、水素で走る鉄道車両「FV-E991系」を試験開発、クルマの燃料電池技術を鉄道へ応用〟を見つけました。そうか!やっと日本も重い腰を上げたか、と感じました。

トヨタが先行し、ホンダも開発に参入し、既にビジネス化したFCV技術を、ハイブリッド(Hybrid)車を含む化石燃料車だけに応用するのは余りにももったいないので、航空機を含む輸送機全体に展開する事はできないものか!?と思っていました。


既にドイツでは(〝出羽守〟にはなりたくないのですが)2018年に実証実験車を導入しているようです。製造メーカーはフランス国鉄の高速鉄道:TGVのメーカーとしても知られるAlstom(アルストム)です。この水素燃料で走る鉄道の愛称〝Coradia iLint〟を2両、ドイツ北部へと納入しました。Corandia iLintは架線いらずの電車で、ディーゼル車を置き換えだそうです。

Coradia iLintは、水素燃料を満タンにしておけば、1000kmも走り切ることができるとされています。つまり、1日のスタートに燃料を入れると、基本的には、その日ずっと燃料のことを気にせず運行が可能なんだとか。

2018年、佐藤栄介さんが東洋経済オンライン「鉄道最前線」 https://toyokeizai.net/articles/-/209735 で紹介されています。

その中でドイツ鉄道殿は〝ドイツには約4万kmの線路が敷かれ、そのうち電化区間は49%にすぎない。そして数年前まで、残り51%の電化のため毎年2億3千万ユーロ(約310億円)もの投資を行っていた。弊社の試算では、そのペースではすべてを電化し終えるのに95年かかる。さらに、非電化の地方路線は乗客も少なく、投資自体が理にかなっていない〟と述べています。







かたや日本では前述の、Engadget 日本版@engadgetjpように、

〝JR東日本とトヨタ自動車・日立製作所の3社は、”水の電気分解”の逆反応を利用して、温室効果ガスを排出せずに水素から電気を生じさせる「燃料電池」と、蓄電池を組み合わせたハイブリッドシステムを搭載した鉄道車両「FV-E991系」を共同で試験開発します。




試作するのは2両1編成(1M1T)です。車両に備え付けのタンクに充填された高圧水素は燃料電池へ供給され、空気中の酸素との化学反応により発電し、電力を供給します。また、蓄電池は燃料電池からの電力と、ブレーキ時の回生電力を蓄えます。




車両の設計・製造はJR東日本が、燃料電池は燃料電池車MIRAIや燃料電池バスSORAの開発実績があるトヨタが、蓄電池を組み合わせたハイブリッド駆動システムは、すでにJR東日本と同様のシステムを共同開発した実績をもつ日立が担当します。〟


車両のデザインは今一つですが(要するに夢がない)、是非とも実用化し何となく停滞している日本国を明るくして行くトリガーにして頂きたいと思います。