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備前・旭川の憂鬱 (「カラスは賢い、ハトは頭が悪い、サメは狂暴、イルカは温厚って本当か?」  20-65 [日記・雑感]


先日、JR岡山駅の店舗や飲食店街がある〝南館〟そして〝北館〟と順次全面的にリニューアルされました。

国内最西端にあった「三省堂」がなくなりました。これで最西端店は名古屋となったおかげで、名古屋在住時からの三省堂のポイントが〝パー〟になりました。

同じ場所に「丸善 さんすて岡山店」が9月中旬、開店しましました。丸善は昔から「丸善 岡山シンフォニービル店」がありますので2店舗目になります。他にも「紀伊国屋書店 クレド岡山店」、岡山イオンモール内の「未来屋書店」等、大型書店が複数あります。

e-Bookの時代に地方都市の岡山に2店舗目の「丸善」、出版業界不況、そしてe-Book市場は現在どうなっているのかと思います。

チョット話題になっています、松原始著「カラスは賢い、ハトは頭が悪い、サメは狂暴、イルカは温厚って本当か?」山と渓谷社を購入しました。表題からして内容は〝いや、そうではない〟となっているはずですが、フィールドワークをされている著者を尊敬しました。

筆者が特に共感を覚えたのがp74-p76です。『3章 見た目の誤解 「きれい」と「汚い」 〝実は不潔とも言えないゴキブリ〟』、以下原文を引用します。

きれいか、汚いか。これはなかなか難しい話だ。そもそも論を言えば、日本語の「消毒」という言葉がなんだかおかしい。あれは大抵の場合、「殺菌」や「除菌」である。

菌やウイルスなどの病原体を除去ないし不活性化しているだけで、毒は消していないはずだ。

例えばカビ毒のように、カビそのものではなくカビの作り出した毒素が悪影響を及ぼす場合、どれだけ除菌しようが滅菌しようが、毒素をなくする事はできない。

いや、めんどくさいことを。別にええやん、と思われても仕方ないが、なんとなく、「消毒」という言葉に、リアルをすっ飛ばした仮想的な「キレイさ」を感じてしまうのである。

「消毒したから毒になるものはなしもありません、だから安心です、なにが毒か、それがどうなったかは考えていませんけど」とでもいうような。

この言葉をちょいとやり玉に挙げたのは、「きれい」「汚い」がちょっと行き過ぎかな!、あるいはなんか迷走してないかな!、と思うことがあるからである。

「衛生害虫」という言葉がある。文字通り、衛生的に問題のある、つまり病原体を媒介する害虫のことだ。

ダニや蚊は刺されてかゆいだけでなく、細菌やウイルスを運ぶことがある。マダニによる重症熱性血小板減少症候群というのもあるし、蚊は日本脳炎、マラリア、デング熱、ジカ熱など多くの病気を運ぶ。

全世界で最もたくさん人を(間接的だが)殺している動物は、蚊だといわれているくらいだ。

このお話は筆者もビル・ゲイツ財団の研究結果を当blog https://ironbridge-uk.blog.ss-blog.jp/2015-09-06 で紹介しています。

害「虫」ではないが、ネズミもペスト、ハンタウイルスなど多くの病原体を媒介する。

地球上で最も手強いのは〝コウモリ〟と思います。エボラ出血熱も新型コロナウイルスもコウモリが中間宿主のようです。

で、台所には必ずと言っていいほど、ゴミの上を歩き回り、しかもその後で食品の上もウロつくやつがいる。Gのつくアレ...ゴキブリだ。

ところが、ゴキブリが媒介する病気というのは、考えてみたら思い当たらないのである。もちろん、なんらかの理由でゴキブリに付着した病原体が運ばれることはあるのだが、ゴキブリを宿主として移動するタイプの病気はない。

しかみ、最近の研究によるとゴキブリは非常に強力な抗体を持ち、いわば抗菌仕様のボディーである。まあ、居場所が排水溝だったりトイレだったりゴミ箱だったり、決して清潔とな場所ではないし、体表面に付着する病原体なで皆殺しするようなものではないが、漠然と思われていたよりはずっと少ないのだ。

勿論ゴキブリの体表についている菌はあるわけだが、それを言い出すと他人と握手なんか、絶対にできない。人間の手はあらゆろものに接触しており、医学的に言えば決して清潔なものではない。

ゴキブリは見た目が何ともいやらしいので筆者も嫌いですが、食料、特に〝たんぱく源〟としては有望だそうです。拙blogも参照ください。 https://ironbridge-uk.blog.ss-blog.jp/2016-06-16 コウロギは既に粉末にしてクッキーに添加、販売されています。

我々は日々、雑菌とお付き合いしているのだ。除菌関係のCMで「ほら、こんなところに雑菌が!!」などとあおり文句が入ることはよくあるが、いやいやいや。あなたの手だの消化器官内だのに、ものすごい数の菌がいるから。

で、その次のCMは「生きて腸まで届く乳酸菌で腸内フローラを整えよう」だったりするわけだが、そのことに矛盾は感じないだろうか。

著者の主張は、動物の〝かわいい・見難い・汚い・きれい〟は人間さまの勝手でして、動物側は〝生存をかけている〟だけだ!という事のようです。

著者である松原始さん、あるいは編集者の意向なのかは判りませんが、文体が〝語り・トーク〟あるいは〝講演〟をそのまま文字起ししたような感じがします。だから何となく文脈が離散的でして、時々読み直さなければ趣旨が読み取れないことがありました。

しかしながら、何でもdigital、あるいはe-Bookの時代に〝紙の上の活字〟を読むのは楽しみです。



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