SSブログ

備前・旭川の憂鬱 ( 「失われた30年」の新解釈 23-23) [日記・雑感]


先週末のBSテレ東の番組「日経プラス9サタデー」で大変興味深いお話を聞きました。それは、なぜ「失われた30年」になってしまったか?の新解釈です。

先ず、日経平均は1989/12/29に最高値 [38,915円] を付け、それ以降低迷を続けました。世の中的には〝アベノミックス〟で安値を脱却し、そして先週末2023/06/16の終値 [33,706円] を付け、バブル後33年で過去最高値に近づいたというものです。 下の絵図をご覧ください。

日経平均trend - 512.jpg

なるほどね、ですが、もう一枚の絵図をご覧ください。この絵図は、大和総研の木野内栄治さん(肩書多数あり)が作成されたものでして、トルコ出身の国際エコノミスト エミン・ユルマズ氏の両者がほぼ同じ説明をされていました。ただし、同席された智剣・OskarグループCEOの大川智宏氏は、ご両人に必ずしも賛成ではありませんでした。絵図はクリック頂くと拡大します。

日経平均2023.jpg

結論的に言えば、以下の様になります。ただし、筆者が理解した範囲で記述していますので、発言の真意から逸脱しているかも知れません。

❖ 日本の戦後「ドッジ・デフレ」後、1950年代から1990年の高度成長期は、アメリカをはじめ世界から「お金」が日本に入って来た。だから株価は強気相場であった。
なぜならば、「東西冷戦」期、西側諸国は日本を【反共の砦】としたからである。もちろんドイツも同様であった。高度成長は日本人も頑張ったが、国際情勢も深く関与している。

❖ 1960年ごろアメリカは保護主義的になった。ベトナム戦争が激化した。

❖ 1989年「東西冷戦」が終わったので、日本の役割が終わった。「ベルリンの壁崩壊」と「バブル崩壊」は1ヵ月しか違わない。

❖ 1980年代、アメリカが日本の敵に回った。1986年の「日米半導体協議」極めて不当な不平等協定がその典型だ。つまり、日本は「東西冷戦」終了で用無しになった。それでアメリカにイジメられ、お金が日本から逃げて株価が低調であった。

❖ 日本人はバブルがはじけて、なかなか立ち直れなかったと思っているが、それは違う。日本人は〝自分たちの金融政策が間違った〟と自虐してしまった。「そもそも論」として日本人は自虐ネタが大好き。

❖ 現在の長期の株価上昇は「アベノミックス」と同じころ、2013年にスタートした。これは「米中新冷戦」のスタートした年と同じである。
日本には〝G7〟でも明らかなように、西側陣営にいてくれよ!反共の砦ではなく、今度は【反チャイナ:反権威主義の砦】になってくれ、ということで日本の地政学的重要性が増してきている。
世界の「半導体技術」が日本へ供与されつつある。米中の「新冷戦」、日本の立ち位置が優位に働いている。

❖ その結果、チャイナ、そしてロシアへもお金が行かなくなってしまった。行き場がなくなったお金が日本に流入しだした。それゆえ、今の日本は「ドッジ・デフレ」後と、「アベノミックス」後と同じ状況、すなわち〝デフレ脱却状況〟にある。

❖ 日本の再評価が始まっているので、この株式相場は今後30年40年と続く可能性がある。相場も40,000円50,000も夢ではない。


筆者は「株」には現政府の意向と異なり、全く縁がありません。株価に関しましては、植田日銀総裁の最近の記者会見で述べておられます。

〝株価は基本的には将来の経済や企業収益の見通しに基づいて形成されるものですので、おそらくわが国が今後比較的堅調な成長を続け、企業収益も高水準で推移すると予想されていることが、現在の株高の大きな原因ではないか〟とのことです。



nice!(9)  コメント(0) 

備前・旭川の憂鬱 (「立憲主義」と「積極的平和主義」  23-22) [日記・雑感]


ウクライナ戦争、いよいよ泥沼化で長期戦の様相です。『アベガー』的な方々からは、一つ前の投稿でも紹介しましたが、「一刻も早く戦争を止めてくれ、自分や自分の大切な人たちの命の方が大切だ。」という考え方です。ここでの〝戦争を止めてくれ〟の対象はロシアではなく、どうもウクライナのように感じます。

ここは一度〝そもそも論〟に立ち返らなければなりません。両国間の長い歴史を議論するのではなく、2022/02/24に立ち返ると、そもそも「力による一方的な現状変更」を行ったのは「ロシア」です。これは国連憲章/国際法違反で異論がないと思います。

ロシアは2014年にもウクライナ領のクリミア半島を、狡猾にもロシアに併合した成功体験があったのです。夢よ!もう一度だったのでしょう。

ウクライナは一方的にロシアに主権・領土や財産を奪われている訳ですから、これに対抗するのは自然の摂理ではないかと思います。まさに「自衛権の発動」です。

それにも関わらず、何故『アベガー』の方々は〝戦争を止めて「命」を優先しろ〟と主張されるのか?です。これは論理が逆転していまして、ウクライナは一方的にロシアに攻められたから「命」を賭してまで主権・領土・財産を守ろうとしているのです。


『アベガー』の方々のお考えは、やはり戦後一貫して日本のアカデミア、ジャーナリズムの根底にある太平洋戦争への「贖罪意識」と、「軍部が暴走した」から戦争が発生した、にあると思います。筆者は「贖罪意識」は一理あると思いますが、「軍部が暴走した」から戦争が発生した、は大いに疑問があります。

軍部を暴走させたのは、国民の熱狂と、それを例えば〝鬼畜米英〟〝進め一億火の玉だ〟〝欲しがりません、勝つまでは〟と煽ったジャーナリズムと思います。

贖罪意識はその後、「非武装中立」で「一国平和主義」を、軍部の暴走は「立憲主義」を生成しました。その集大成が、「日本国憲法前文」と「第九条」です。

これらの考え方は、東西冷戦時やその後のアメリカ一国覇権時代は、日本国内だけに限定すれば〝矛盾なく?〟流通できました。しかしながら、その間、一歩でも海外に目を向けますと、これらの考え方とは全く異なりまして、世界は一貫して〝戦争だらけ〟で〝矛盾だらけ〟でした。

この「立憲主義」と「憲法9条」のおかげで、日本は平和であった!というのは、前述のごとく〝たまたま〟地理的環境が日本に好都合だったに過ぎません。それと『アベガー』的な方々からは非難されると思いますが、[集団的自衛権] である「日米安全保障条約」の存在が大きいと思います。

今までは「日米安全保障条約」があるから戦争に巻き込まれる、といった論調が一定数ありました。今回のウクライナ戦争で証明されたように、[集団的自衛権] であるNATOに加入しておれば、ウクライナはロシアの侵攻を防ぐことが可能であったと思います。

援用として、ロシアの侵攻後、中立国であった〝出羽守〟の大好きな北欧の国々が急遽NATOへの加入決定や、加入準備をしています。


東西冷戦終結や昭和時代の終わりの頃、1989年頃を境に〝日本国周辺〟のチャイナ、北朝鮮、そしてその後再びプーチンのロシアが〝軍事的〟に台頭しているにも関わらず、その現実を野党・アカデミア・ジャーナリズムはことごとく無視し続けてきました。日本国は〝憲法9条〟があるから、外国から侵攻されることは無い、というフィクション・虚構でした。

このような一部の「戦後レジーム」勢力から毛嫌いされたのが安倍晋三元総理、そして麻生太郎元総理です。特に安倍晋三元総理は〝戦後レジームからの脱却〟を強く訴えておられましたので、いわゆる『アベガー』勢力からは徹底的に危険視されていました。

その〝戦後レジームからの脱却〟の具体論と筆者は思っているのですが、日本国を「立憲主義」ではない、海外にも目を向けた発想、それが麻生太郎元総理が2006年に提唱された〝日本外交の新機軸「自由と繁栄の弧」の形成:Arc of Freedom and Prosperity: Japan's Expanding Diplomatic Horizons〟です。

外務省のサイト https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/bluebook/2007/html/h1/h1_01.html をご覧ください。その具体的な構想は以下の絵図をご覧ください。

自由と繁栄の弧.jpg

これをご覧の方はびっくりするのではありませんか。それは習近平が2013年に初めて打ち出した構想の「一体一路構想」と同じです。パクリといっても過言ではありません。

麻生太郎さんもメディアに、兎に角訳もなく叩かれました。こんな壮大で日本人を鼓舞する構想を提唱したものですから、それこそ「戦後レジーム」とっぷりのメディアはついていけなかったのでしょう。


もう一つが安倍元総理が2013年に提唱された「積極的平和主義:proactive contribution to peace」です。

内閣官房の公報では、〝「積極的平和主義」は、国民の生命を守りつつ、世界の平和と安定のために積極的 に取り組んでいくことであり、積極的平和主義にのっとって、私たちの身の安全と 財産が脅かされないようにすることが安全保障の役割です。 安全保障を進める ことにより、日本や世界の平和が脅かされるのを未然に防ぐことにつながります。〟とあります。

外務省のサイト https://www.mofa.go.jp/mofaj/p_pd/dpr/page1w_000072.html で詳細を見ることができます。

大荒れに荒れた2015年の「安保法制」、安保法は「立憲主義」に反し憲法違反です、と『アベガー』は叫びました。この安保法制があったからこそ、今回の理不尽なウクライナ侵攻に対して、日本はささやかではありますが、非殺傷装備品を送ることができました。

またウガンダの内戦にも邦人救出のために、速やかに自衛隊機を派遣(派兵ではない)することができました。


以上の様に、現在の世界情勢は机上の抽象論「立憲主義」では、日本国を守ることはできません。やはり「積極的平和主義」で行くしかありません。

最後に、ウクライナ戦争は「力による一方的な現状変更」を行った権威主義の国「ロシア」に起因していることを再確認しなければなりません。

そしてロシアを許容することは、綻びが目立つ自由と民主主義ではありますが、基本的人権、法の支配、市場経済といった「普遍的価値」を放棄することになりますので、ウクライナを支援しなければ、と思っています。

今日の世界は高貴な本能を大切にしてくれるような綺麗な場所は無い。
「日の名残り」カズオ・イシグロ



nice!(10)  コメント(0) 

備前・旭川の憂鬱 (「戦争」に対する認識差  23-21) [日記・雑感]


筆者のような〝団塊の世代〟真ん中の人間は、[戦後サヨク] の強い影響を受けた人々に囲まれて、学園紛争も経験し、社会に出てからは〝企業戦士?〟として働いて来ました。

戦後間もない朝鮮戦争/1950-53年を除けば、日本人が初めて経験したのが「湾岸戦争/1990-91年」でした。イラク在留の日本人や企業戦士はイラク国内で実質的にhostage人質として拘束されていました。日本人の解放に向けても、日本政府は〝憲法9条〟等の制約で目立った活動を行えなかったのです。

この時、たまたま出張先のフランクフルトからの帰国便で、解放されたイラクの日本学校の生徒たちと同乗しました。成田に到着して初めて気付きました。戦争を身近に感じた瞬間でした。当blog https://ironbridge-uk.blog.ss-blog.jp/2014-05-12 もご覧ください。


またそれ以前にも、1985年3月17日、イラン在住の外国人は一斉にテヘラン空港に詰めかけていました。というのも、隣国イラクの当時の大統領サダム・フセインが〝48時間後にイラン上空を飛ぶ飛行機をすべて撃ち落とす〟との声明を発表したからです。タイムリミットが迫る中、在住外国人の母国からは続々と救援機が到着していました。

しかし、日本政府は、自衛隊を送れば憲法違反になるとの意見に押され、さらに民間機JALの組合の反対もあり、機体を飛ばすのも危険すぎるとの理由で救助の飛行機の派遣はできませんでした。

世界で日本だけが立ち往生する国民に救いの手を差し伸べずにいたのです。テヘラン空港に残されたのは日本人だけになっていました。

そして、フセインが発表した期限に迫ろうとしていたその時、1機のトルコ航空の飛行機がテヘラン空港に緊急着陸し、日本人216名全員を乗せ、そのまま成田へ飛び立ったのです。これはまさに奇跡としか言いようのない出来事でした。

トルコ機に関しましては複数のネットの情報を参照しました。


最近の国際情勢から日本政府は国防費を、従来のGDP1%から2%への引き上げを決定しました。『アベガー』の時代にはメディアや戦後サヨクは大反対だったのですが、〝何故か〟岸田内閣では大した議論もなく既成事実化されつつあります。



ごく最近Twitter上で倉田真由美さんの投稿がありました。まあウクライナ戦争をTV等でご覧になってのご発言と思います。それは以下のようです。

倉田真由美a.jpg
倉田真由美b.jpg

この投稿に、緩やかなご意見から、かなり辛辣なご意見を拝見しました。順番に、

銀星王 - コピー.jpg

加藤AZUKI.jpg

トオル.jpg


倉田真由美さんと多分同意見の吉永小百合さん、CMでのんびりビールを飲んでいる場合ではないはずですがね。

はじ - コピー.jpg

現在も平和な日本があるのは〝憲法9条〟ではなく、大多数の日本国民が汗水たらして、日本国政府の支援もないような地域、世界でも頑張って外貨を稼いでいるからなんです。その経済力に見合った軍事力の準備と、不足分は同盟国と[集団的自衛権]の枠組みを作っているからです。

なぜ〝憲法9条〟で平和が守れないのか?です。平和は「結果」でしてこれを高らかに歌っても誰も反対しません。戦争になった「原因」をつぶさなければなりません。それは宗教であったり、貧困であったり、歴史的な感情であったりします。戦後サヨクは平和・平和と年中唱えていますが、世界は戦争だらけです。

戦争の原因を潰すことは容易な話ではありません。日本の周りは軍拡の好戦国だらけです。〝憲法9条〟は、国際法にもあるように我が国・日本国から戦争はしません、と言っているだけです。世界が日本だけで成り立っているのであれば、戦争の心配はありませんが。

現状は全く「真逆」です。

ちょっと話はズレますが藤岡弘さんのご発言もご覧ください。

藤岡 弘 - コピー.jpg

こんなご意見もあります、ご参考まで。以上、倉田真由美さんの投稿より徒然なるままにPCに向かいました。



nice!(8)  コメント(0)