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備前・旭川の憂鬱 (【菅義偉前総理の弔辞】 22-45) [日記・雑感]


7月の選挙期間中に銃撃を受けて、非業の死を遂げた安倍元総理の国葬が、日本武道館で行われ、無事終了しました。

国葬のあるべき姿から外れる弔辞だ、といった心無い批判はともかく、第二次安倍内閣で官房長官を務めていた、友人代表・菅義偉前総理の弔辞の全文です。原文はweb site〝日テレNEWS〟の文字お越し(と思われる)から引用します。

2022_09_27 菅義偉前総理 日テレNEWSより - コピー.jpg

【友人代表弔辞】
七月の、八日でした。
信じられない一報を耳にし、とにかく一命をとりとめてほしい。
あなたにお目にかかりたい、同じ空間で、同じ空気を共にしたい。
その一心で、現地に向かい、そして、あなたならではの、あたたかな、ほほえみに、最後の一瞬、接することができました。

あの、運命の日から、八十日が経ってしまいました。
あれからも、朝は来て、日は、暮れていきます。
やかましかったセミは、いつのまにか鳴りをひそめ、高い空には、秋の雲がたなびくようになりました。

季節は、歩みを進めます。
あなたという人がいないのに、時は過ぎる。
無情にも過ぎていくことに、私は、いまだに、許せないものを覚えます。
天はなぜ、よりにもよって、このような悲劇を現実にし、いのちを失ってはならない人から、生命を、召し上げてしまったのか。
口惜しくてなりません。

哀しみと、怒りを、交互に感じながら、今日の、この日を、迎えました。
しかし、安倍総理…と、お呼びしますが、ご覧になれますか。
ここ、武道館の周りには、花をささげよう、国葬儀に立ちあおうと、たくさんの人が集まってくれています。

二十代、三十代の人たちが、少なくないようです。
明日を担う若者たちが、大勢、あなたを慕い、あなたを見送りに来ています。
総理、あなたは、今日よりも、明日の方が良くなる日本を創りたい。
若い人たちに希望を持たせたいという、強い信念を持ち、毎日、毎日、国民に語りかけておられた。
そして、日本よ、日本人よ、世界の真ん中で咲きほこれ。
―これが、あなたの口癖でした。

次の時代を担う人々が、未来を明るく思い描いて、初めて、経済も成長するのだと。
いま、あなたを惜しむ若い人たちがこんなにもたくさんいるということは、歩みをともにした者として、これ以上に嬉しいことはありません。
報われた思いであります。

平成十二年、日本政府は、北朝鮮にコメを送ろうとしておりました。
私は、当選まだ二回の議員でしたが、「草の根の国民に届くのならよいが、その保証がない限り、軍部を肥やすようなことはすべきでない」と言って、自民党総務会で、大反対の意見をぶちましたところ、これが、新聞に載りました。
すると、記事を見たあなたは、「会いたい」と、電話をかけてくれました。
「菅さんの言っていることは正しい。北朝鮮が拉致した日本人を取り戻すため、一緒に行動してくれれば嬉しい」と、そういうお話でした。
信念と迫力に満ちた、あの時のあなたの言葉は、その後の私自身の、政治活動の糧となりました。
その、まっすぐな目、信念を貫こうとする姿勢に打たれ、私は、直感しました。
この人こそは、いつか総理になる人、ならねばならない人なのだと、確信をしたのであります。
私が、生涯誇りとするのは、この確信において、一度として、揺らがなかったことであります。

総理、あなたは一度、持病が悪くなって、総理の座をしりぞきました。
そのことを負い目に思って、二度目の自民党総裁選出馬を、ずいぶんと迷っておられました。
最後には、二人で、銀座の焼鳥屋に行き、私は、一生懸命、あなたを口説きました。
それが、使命だと思ったからです。
三時間後には、ようやく、首をタテに振ってくれた。
私はこのことを、菅義偉生涯最大の達成として、いつまでも、誇らしく思うであろうと思います。

総理が官邸にいるときは、欠かさず、一日に一度、気兼ねのない話をしました。
いまでも、ふと、ひとりになると、そうした日々の様子が、まざまざと、よみがえってまいります。
TPP交渉に入るのを、私は、できれば時間をかけたほうがいいという立場でした。
総理は、「タイミングを失してはならない。やるなら早いほうがいい」という意見で、どちらが正しかったかは、もはや歴史が証明済みです。
一歩後退すると、勢いを失う。
前進してこそ、活路が開けると思っていたのでしょう。
総理、あなたの判断はいつも正しかった。

安倍総理。
日本国は、あなたという歴史上かけがえのないリーダーをいただいたからこそ、特定秘密保護法、一連の平和安全法制、改正組織犯罪処罰法など、難しかった法案を、すべて成立させることができました。
どのひとつを欠いても、我が国の安全は、確固たるものにはならない。
あなたの信念、そして決意に、私たちは、とこしえの感謝をささげるものであります。
国難を突破し、強い日本を創る。
そして、真の平和国家日本を希求し、日本を、あらゆる分野で世界に貢献できる国にする。
そんな、覚悟と、決断の毎日が続く中にあっても、総理、あなたは、常に笑顔を絶やさなかった。
いつも、まわりの人たちに心を配り、優しさを降り注いだ。
総理大臣官邸で共に過ごし、あらゆる苦楽を共にした七年八か月。
私は本当に幸せでした。
私だけではなく、すべてのスタッフたちが、あの厳しい日々の中で、明るく、生き生きと働いていたことを思い起こします。

何度でも申し上げます。
安倍総理、あなたは、我が日本国にとっての、真のリーダーでした。
衆議院第一議員会館、千二百十二号室の、あなたの机には、読みかけの本が一冊、ありました。
岡義武著『山県有朋』です。
ここまで読んだ、という、最後のページは、端を折ってありました。
そしてそのページには、マーカーペンで、線を引いたところがありました。
しるしをつけた箇所にあったのは、いみじくも、山県有朋が、長年の盟友、伊藤博文に先立たれ、故人を偲んで詠んだ歌でありました。
総理、いま、この歌くらい、私自身の思いをよく詠んだ一首はありません。
かたりあひて 尽しゝ人は 先立ちぬ 今より後の 世をいかにせむ
かたりあひて 尽しゝ人は 先立ちぬ 今より後の 世をいかにせむ (実際2回繰り返されています)
深い哀しみと、寂しさを覚えます。

総理、本当に、ありがとうございました。
どうか安らかに、お休みください。
令和四年九月二十七日 前内閣総理大臣、友人代表 菅 義偉



国家の最高権力者として常に責任、といっても結果責任が問われる重責にあったお二人ならではの弔辞であったと思い、ここに筆者個人の記録として残しておこうと思いました。


心が洗われるような弔辞がある一方、心無い、そして人間として如何なものかと考えさせる絵もソーシャルメディアで見つけました。その代表例をupします。

a2022_09_27ジャーナリスト - コピー.jpg

b過激国葬反対 2022_09 - コピー.jpg

c2022_09_27A - コピー.jpg

まあ、高齢者が多いようです。また日本語の不自由な方もいらっしゃいます。


最後に、これぞ国家の最高責任者を経験した、そして日本人として見習うべき思考と行動をとられた野田佳彦さんの投稿を少し前の upload と重なりますが再掲させて頂きます。これでこの投稿も洗浄できます。

d野田佳彦さん - コピー.jpg



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備前・旭川の憂鬱 (合成の誤謬 22-44) [日記・雑感]


先週のテレ東「モーサテ」で双日総研の吉崎達彦氏が興味深い解説をされていました。それは、今の日本はまさに「合成の誤謬」の中にある、と指摘されていました。

「合成の誤謬」一応、手元にある本で確認しました。Newsweekペーパーバックス『経済超入門』p30より引用します。

〝合成の誤謬とは、部分的には合理的で正しい行動が、全体としては間違った結果を導き出すことをいう〟

例として〝不況でいつ失業するかわからないので消費を減らして貯蓄する、という行動派は家計から見れば合理的だ。しかしすべての家計が同じことを行うと、消費が減って景気はますます悪化し、かえって失業のリスクを高めてしまう。〟

もう一つ、これは現在の状況と部分的に近いのですが〝各国が報復のため同様の保護政策を取れば、お互いに輸出ができなくなる。結果として世界全体で貿易は縮小し、景気はますます悪くなってしまう。〟

「合成の誤謬」は一旦置いておきます。図はすべてテレ東「モーサテ」より引用します。

先ず衝撃的なデーターが発表されました。

A貿易赤字2兆円超え.jpg

具体的には〝財務省が09/15に発表した8月の貿易統計速報によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は2兆8173億円の赤字だった。エネルギー価格の高騰や円安で輸入額が前年同月比49.9%増の10兆8792億円に膨らみ、輸出額の伸びを上回った。赤字額は東日本大震災の影響が大きかった2014/01の2兆7951億円の赤字を上回り、比較可能な1979年以降で単月の過去最大となった。〟ということです。

要するに、もちろん言い訳はあるでしょうが、日本は貿易では稼げなくなった、というう事です。そして、この状況が続くと(図が不鮮明で見辛いですが)2022年通年では、なんとなんと[15.8兆円]の赤字になるそうです。

B輸出入トレンド - コピー.jpg

そうでなくても財政赤字で国は破綻するに始まり、国防費がGDP比2%必要、少子化対策対策、エッセンシャルワーカーの待遇改善に予算が不足、等々お金がいくらでも必要な時に、国富が海外に垂れ流しになっている、ということになります。

その主な原因は、やはり新型コロナウイルス禍終息後の経済正常化や、そしてこれが決定的ですが、ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー価格の上昇です。

そして日本固有の問題ですが薬害被害の〝0リスク〟を追求するあまり、ワクチンの開発能力を失ってしまい、数兆円を払って海外から輸入せざるを得ない国になっています。これも〝合成の誤謬〟の一つでしょう。

C上半期輸入トップ409.jpg
D輸入ランキング409.jpg

今すぐにでもできる対策は、そうです!議論をタブー視してきた〝既存原発の再稼働〟と、日本の技術が優れている〝高効率石炭火力〟の増設・新設です。節電は対策ではありません、国民や企業を苦しめるだけです。

対策は、

E赤字削減施策409.jpg

でして、従来から言われたことでした。

聞く耳を持っているようで、結局持っておられない、岸田総理でも〝原発再稼働〟や〝次世代原発の開発〟を意識されています。

そもそもSDGsやグリーンニューディール・脱炭素なんて利権の塊みたいなものです。SDGsで重要なポイントは金融です。この現代の流れに沿わない投資に融資しないと言っています。これは真に稼げる国産技術やエネルギー自給を破壊するものでして、一昔前(二昔か?)の言葉では〝国賊〟ではないかと疑います。

SDGsを金科玉条のように考えているのは日本だけだと思います。欧州やアメリアは常に国益に沿って考えますので、ある日突然、都合よく政策を変更します。取り残されるのは日本国となります。


福島県在住のフリーランスライターの林 智裕氏、〝風評加害者〟を造語されましたが、「リベラル」を僭称する左翼勢力とそのシンパこそが、東電原発事故における「風評加害者」の主勢力でした、と述べられています。彼らこそが〝原発再稼働反対〟の首謀者でして、メディアはこれを担いでビジネスとしています。きれいな言葉で言えば〝0リスクの追求〟です。

付け加えますと「日本学術会議」も立派にこの「風評加害者」の主役です。一刻も早く解体されることを希望します。

拙blog https://ironbridge-uk.blog.ss-blog.jp/2017-05-16 で、九州電力の再稼働実績より[100万kW]の原発1基を再稼働すれは〝271億円〟収益改善となり、日本国全体では凡そ1兆円の収益改善になると試算しました。今はLNGや石炭の価格も上昇していますので、さらに大きな収益が改善できるはずです。

細野豪志@hosono_54 2021/09/14 は、Twitterで、

〝経済成長がないと(国民に果実を)分配はできない。自国の安全保障の確保なしに世界平和はない。順番を間違えると大変なことになります。〟

とおっしゃっています。筆者は完全にこの価値観を共有します。


ここからは一般論になります。失われた20年か30年か知りませんが、いつの間にか日本国は〝リスクを取らず、学ぼうとしない国〟になってしまいました。個々のご家庭や企業・民間セクターが未来を悲観し、消費や投資、研究開発をしなければこのような停滞した貧しい国になります。まさに「合成の誤謬」です。


軍事技術は悪といった20世紀の発想から一刻も早く抜け出し、アメリカの押し付けた日米構造協議のような日本潰しからも脱却し、半導体の二の前にならないように、そして〝あれは嫌だ、これはダメ〟といった贅沢は排し、可能性のある事は何でもやってみる、といった風土を再び呼び起こさなければなりません。


と、ここまでは筆者の主張を述べましたが、ふと気が付くと、小幡 績氏の投稿が目に留まりました。アリャリャです。ご参考にURLを貼っておきます。

『ついに「日本が独り勝ちする時代」がやってきた、なぜ円安が進んでいるのにそこまで言えるのか』
https://toyokeizai.net/articles/-/619077 



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備前・旭川の憂鬱 (ロシアの不可思議な「死亡」<追加> 22-43) [日記・雑感]


Ian Bremmerさんが、2022/09/15 Twitter に〝ロシアの不可思議な「死亡」12例〟を upload されていました。数日前の upload に追加し、内容は全面的に引用させていただきます。

ご承知とは思いますが、Ian Bremmerさんは当年52歳、アメリカの政治学者、コンサルティング会社「ユーラシアグループ」の社長さんです。メールマガジン「GZERO World」を無料で発信されています。


先ず写真、吹き出しに〝If I was planning suicide you would tell me, right boss?〟とあります。
私が(オリガルヒの)自殺を計画していたら、私に言ったたでしょう、そうでしょう?

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本文は〝for those keeping track at home, 12 “threw himself from window/shot himself 7 times in the head” russian oligarch deaths this year so far〟とあります。
自宅で(不可思議な「死亡」を)追跡している人のために、今年これまでにロシアのオリガルヒの12人が「窓から身を投げたり、頭を7回撃った」で死亡しています。以下一覧表で示します。

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筑波大学の中村逸男さんではありませんが〝恐ロシア〟です。正しいか否か、そして今後も守るべきか否かわかりませんが、今の世の中の規範とされている、自由と民主主義・人権・法の支配といった共通理念を守りたいなら、今のロシアは考えられません。




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備前・旭川の憂鬱 (安倍元総理の【国葬】に思う 22-42) [日記・雑感]


どうもいけません。安倍元総理の【国葬】に対して、余りにも〝礼節〟とか〝品格〟を欠く [国内] での発言や言動が気になります。

主語はあえて省きますが口汚く安倍元総理を、最近の言葉では、disります。誰であれ一人の人間が亡くなった、という現実、それも凶弾に倒れたとい悲惨な死にもう少し冷静に哀悼の意をもって対応ができないものかと思います。

たとえ安倍元総理と思想信条が異なっても、一国の総理を長期間(独裁ではなく民主主義の制度に則って)務められたのですから、もう少し違った表現はできないものでしょうか!?

あのプーチンでさえ戦争の最中、安倍元総理のご遺族へ弔意を示しました。また、習近平もエリザベスⅡ女王の崩御に対し弔意を示しました。彼の英国訪問でのゴタゴタに、エリザベスⅡ女王は〝rudeである〟と不快感を示されましたが。


Twitterで見かけた安倍元総理への礼節を欠く画をご覧ください。

部活の延長かと思わせる〝ごんたくんのお気軽人生〟です。高齢者の特定の方々へのアピールと思います。
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学者と思いきや、知性や理性を全く感じない、単なる〝活動家〟に落ちぶれた方です。

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外国勢力か義務教育が不足している方々の、口汚いアピールです。せめて漢字ぐらいはキチンとお願いしたいものです。

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こんな訳でして、メディアはこちらの側ばかり報道します。安倍元総理の【国葬】反対の署名が40万人もあったとか。では日本国民は何人ですか?そして凶弾に倒れた後、国民の何人がそれぞれの自由意思で献花や記帳に訪れたか、多分(検証はしていませんが)【国葬】反対の署名の10倍ぐらいはあったのではと、TV画面を思い出しています。


では日本中が国内メディアが言うほど〝反安倍〟かと云いますと、必ずしもそうではなく安倍元総理に好意的な方々もいらっしゃいます。例によって日本のメディアは〝報道しない自由〟を行使しています。

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日本人が考えているより遥かに多くの外国要人が、安倍元総理に弔意を表し、国によっては弔意を表す〝反旗〟を掲げました。TIME誌は表紙に安倍元総理を掲げ、生前の功績(だけではないかも知れませんが)を偲びました。

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過去の日本の総理は〝G7〟等の国際会議では隅っこで記念写真に納まっていましたが(中曽根元総理は場所取りをやっていましたが)、安倍元総理は良くも悪くも〝G7〟や〝G20〟で、会議をリードしました。民主党政権で徹底的に壊れた日米関係を見事に立て直し、日本の存在を世界の中で高めた立派な功績があります。

その一つに2018年カナダでの〝G7〟での出来事です。やんちゃなトランプ大統領とアンゲラ・メルケル首相の顔を突き合せたピクチャーです。沢山ありますがイギリスBBCのピクチャーをご紹介します。

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メルケル首相が机を叩かんばかりにトランプ大統領に迫っていったとき、トランプ大統領が最後に「シンゾー、お前はどう思う?」と聞いて決めたらしいですね。最後は「あとはシンゾーに任せた」と言って立ち去ったそうです。後でちゃぶ台返しがありましたが...


実際、国内での安倍元総理の功罪はどうだったのでしょうか!?感情ではなく、数値で概略を見てみましょう。

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功績はご覧の通りでして「失われた20年(30年かも)」から何とか脱出したといっていいと思います。特に失業率を大幅に改善し、就職氷河期から若者を救ったことは特筆できると思います。

しかしながら、国民の実質賃金・実質世帯消費支出は改善どころか、むしろ〝低下〟しています。この政策や対策は未だに見つかっていません。どこかに大きな問題点があるのでしょうが、政府・日銀・金融関係者・企業経営者も策がありません。これが現在最も大きな問題でしょう。少子化の主原因と考えます。


最後に、安倍元総理の【国葬】に対して、ジョージア大使のTwitterへの投稿をご紹介します。筆者の考えを的確に反映していただいています。

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備前・旭川の憂鬱 (気候変動の虚構 22-41) [日記・雑感]


筆者は以前より〝CO2や温室効果ガスによる地球温暖化〟に直感的に懐疑的でした。今でも変わりません。なぜならば、技術者の端くれとして、太陽系も関係する〝地球規模の複雑システム〟が、単純に語れるはずがない!という脊髄の反射神経からです。

当blog へもCO2による温暖化懐疑派としての考えを2014年以来10件以上 upload しています。ただし〝気候変動・温暖化〟は現実に観測されていますので、科学的に正しいと思っています。

筆者が最初に怪しいと睨んだのが〝温暖化で台風の発生数が増加し大型化する〟というインチキです。当blog で気象庁のHPより作図してみました。それが、https://ironbridge-uk.blog.ss-blog.jp/2018-09-16 でして、むしろ発生数は若干ですが減少しています。大型台風も大昔から記録に残ったものだけでも多数ありまして、この仮説は明らかにウソです。


今世紀に入ってからも、2010年頃から伊藤泰男氏(元東京大学 原子力研究総合センター教授)、有馬 純氏(国際環境経済研究所・東京大学特任教授)や、杉山大志氏(キャノングローバル戦略研究所)は、アル・ゴアの「不都合な真実」に警鐘を鳴らして来られました。

当時、彼らは周囲より白い目で見られたと思います。渡辺 正氏(東京大学名誉教授)や、田中 博氏(筑波大学教授)らも同様に警鐘を鳴らしておられます。印象的なのは、田中 博氏の言です。〝科学は噓をつかない、でも科学者は嘘をつく〟です。

田中 博氏 筑波大学計算科学研究センター教授[日経BOOKプラス] 2022/07/13日付の記事を引用して、筆者の考えを語りたいと思います。また、同氏は2022/07に「気候変動・脱炭素 14のウソ」を丸善出版より上梓されています。

一方、極めて残念なロシアのウクライナ侵攻で、SDGsやGreen New Dealを含め、欧州諸国やアメリカでもやっと〝CO2や温室効果ガスによる地球温暖化〟は怪しいと気が付き始めた方も出始めたようです。


田中 博氏の言説、先ずこの文章に注目しました。

〝風向きが変わったのが2014年です。日本気象学会では、中立的な立場で地球温暖化に対する意見をまとめようと、「地球環境問題委員会」という企画を立ち上げました。その成果が『地球温暖化 そのメカニズムと不確実性』(朝倉書店)です。〟

〝本書の校了寸前になって、IPCC(国連の気候変動に関する政府間パネル)の執筆者に査読してもらおうということになりました。すると、IPCCの執筆者の見解と異なる主張は原稿から削除され、私が書いた「温暖化の半分は自然変動で説明できる」という内容の原稿は、ほとんどが削除されました。書名も当初、執筆メンバーで考えていた案から大きく変わりました。〟

 〝この頃から、日本では「温暖化は人為的なCO₂排出が主因であることは明白。もう決着した」という見方が支配的になり、異論をはさまないことが「大人の対応」といわれるようになりました。〟

〝決着したのは「科学的」にではなく、もう世の中の流れがそちらのほうに行ってしまったので、「抵抗しても無駄」という意味での「決着」だったのです。〟

本当にアリャリャですね。


〝気候は分からないことだらけ〟

〝気候のメカニズムについてはまだ分からないことだらけです。科学の不確実性をしっかり認識した上で、様々な立場の科学者が自由闊達(かったつ)に議論を戦わせ、切磋琢磨(せっさたくま)することで、分からないことについての解明が進んでいくというのが、科学と科学者のあるべきスタンスだと思うんですよ。〟

〝残念ながら、現在の気候科学の世界はそうなっていません。「温暖化は人為的なCO₂排出が主因」という主張に反論すると、「懐疑派」「否定派」のレッテルを貼られ、仲間外れのような状態になるというのが現実です。〟

〝ある時から、“政治”が“科学”を凌駕するようになりました。〟

そして、ここからが真骨頂です。

〝研究費が欲しい科学者は、「危機をあおるのはおかしい」「そこまでのエビデンスはない」と思っていても、口には出しません。民衆を説得するためには、多少の誇張や噓はやむを得ないと考えている人もいます。〟

ここは理解できますね。拙blog https://ironbridge-uk.blog.ss-blog.jp/2018-09-04 もご笑覧ください。

〝政治家はその誇張や噓を利用して政策をつくり、マスコミも見出しになりやすいのでそれに飛びつく。その結果、誇張や噓が修正されないまま、一般の人たちに広まっていくという構図です。〟

突然、TVドラマが出現します。そうだったんですね!名言には原典があったんですね。

〝沢口靖子さん主演のドラマ『科捜研の女』(テレビ朝日系列)のファンなのですが、このドラマに「科学は噓をつかない」というセリフがあります。これをもじって、私は「科学は噓をつかない。でも科学者は噓をつく」と言っています。〟

〝口をつぐんでいるだけで、噓はついていない科学者がほとんどだと思いますが、「科学者のあり方」としてふさわしくないと私は考えます。『気候変動の真実』の中で著者のスティーブン・E・クーニンは、「科学者には特別な責任が伴う。厳正で常に客観的な批判性をもって事に当たる必要がある」と力説する。〟

そして、結論として、

〝真鍋淑郎さんも筋金入りのサイエンティストで、科学が政治によってねじ曲げられることをとても嫌っていて、結局は米国に渡られてしまいました。真鍋さんは「CO₂が増えれば気温は上がるだろう」と、あくまでサイエンスを語られていましたが、「気温が上がれば人類は滅亡する」などとは決して言っていないのです。〟


では最近の地球温暖化、地球全体の気温は近年急激に上昇しているのか?結論は、

〝世界の平均気温は最近の30年で [0.2-0.3℃] しか上昇していない。昔より夏は暑くなったと感じてる人は多いかと思うが、それは主に「都市化」あるいは、「都市部への人口集中」のせいだ。〟

〝大都会では狭い空間で莫大な電力が使用され、内燃機関の自動車が走り回っています。また都市化で緑も減少しています。これらが気温上昇の主因です。〟


最後に、太陽系も関係する地球規模の気温変化とCO2 の関係、80万年分をご覧ください。

Global average - 768.jpg


筆者には気温変化とCO2の関係は、CO2が先行しているのではなく、気温が先行し、その後CO2が追いかけているようにも見えます。狂信的な思想はいづれ破綻します。今日現在の人間生活を優先すべきと考えます。



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備前・旭川の憂鬱 (ロシアの不可思議な「死亡」 22-40) [日記・雑感]


以前より、ロシアでは親政権派であろうが、反政権派であろうが〝ロシアの不可思議な「死亡」〟が報道されています。まあプーチンが、泣く子も黙る旧KGBの元諜報員あったことを考慮すると〝さもありなん〟です。

昨日、2022/09/02 ロイターは〝ルクオイル会長が病院の窓から転落死、国営メディアは自殺〟と報道しています。 
https://jp.reuters.com/article/russia-lukoil-manager-death-idJPKBN2Q24JE?feedType=RSS&feedName=special20

その内容は、以下の通りです。
[モスクワ 1日 ロイター] - ロシア第2位の石油会社ルクオイルのラビル・マガノフ会長(67)が1日、入院先の病院で窓から転落して死亡した。事情に詳しい2人の関係者が明らかにした。死亡当時の詳しい状況ははっきりしていない。ただロシアでは、エネルギー業界を中心にこのところ不可解な死を遂げるビジネスマンが相次いでいる。

国営タス通信は、法執行機関当局者の話としてマガノフ氏が自殺したと伝えた。この当局者によると、マガノフ氏は心臓発作で入院し、抗うつ薬も服用していたという。


一方、時事通信は 2022/09/02〝プーチン氏、ゴルバチョフ氏の葬儀を欠席へ「職務上の都合」 〟
https://www.jiji.com/jc/article?k=20220902043457a&g=afp

その内容は、以下の通りです。

【モスクワAFP=時事】ロシア大統領府は1日、8月30日に死去したソビエト連邦最後の指導者ミハイル・ゴルバチョフ氏の葬儀に、ウラジーミル・プーチン大統領は参列しないと発表した。職務上の都合と説明している。(写真はプーチン氏)

 ロシア大統領府(クレムリン)のドミトリー・ペスコフ道官は記者会見で、「告別式と葬儀は9月3日に執り行われる。だが遺憾ながら、大統領は職務上の都合により(参列は)不可能だ」と明らかにした。

 ペスコフ氏によると、プーチン氏はゴルバチョフ氏が死去した病院を訪れ、弔意を表したという。国営テレビは、誰もいない大きなホールに安置されたゴルバチョフ氏のひつぎの横にプーチン氏が赤いバラの花束を置き、黙とうをささげる様子を放送した。

 葬儀は、1953年に死去したソ連の指導者ヨシフ・スターリン氏をはじめ政府高官の葬儀が行われた、首都モスクワの歴史ある労働組合会館「円柱の間」で3日に営まれる予定。

 ゴルバチョフ氏は同日、多くの著名人が眠る同市内ノボデビッチ修道院の墓地で、99年に亡くなったライサ夫人の隣に埋葬される。

 ペスコフ報道官によると、ゴルバチョフ氏の葬儀は政府も支援し、儀仗(ぎじょう)隊が参列するなど国葬に近い扱いになるという。【翻訳編集AFPBBNews】


「プーチン氏はゴルバチョフ氏が死去した病院を訪れ、弔意を表した」としています。ここは日本の野党、メディアは一国の指導者が死去した時の姿勢・態度と大きく異なります。もちろん、本音は、推して知るべし、ですが。


ロシアでの不可思議な「死亡」に関しまして、好都合の配信がありました。それをそのまま引用します。ただし、漢数字等若干ですが見やすいように修正しました。

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「宮崎正弘の国際情勢解題」 令和四年(2022)9月2日(金曜日) 通巻第7449号 
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ロシアで大物オルガルヒがつぎつぎと謎の死、ガスプロム会長が病院から「飛び降り」。何だかなぁ

ロシアでルクオイル、ガスプロムや他の大手企業幹部の「怪死」が続いている。ロシアの石油大手「ルクオイル」のラヴィル・マガノフ会長が、入院先の病院の窓から『転落』して死亡した。モスクワの中央臨床病院はロシアの高層部、金持ち専用で、一般庶民は入れない。

 マガノフは6階の窓から落ちた。心臓病の治療を受けていたとされる。事情通はルクオイルが、ウクライナ戦争に反対の立場を表明してきたことと政治的な関連があるとする。マガノフは 1993 年にルクオイルに入社し、2020年に取締役会長となった。彼はロシア石油大手の「タトネフチ」CEOのネイル・マガノフと兄弟である。

 年初来、ロシア富豪の「怪死事件」が連続している。

 1月、ガスプロムの最高幹部、レオニード・シュルマンがサンクトペテルブルク近郊のコテージで死亡していた。「自殺」と発表された。

 2 月25日、ロシアのガスプロムの県連企業CEO、サンクトペテルブルク近くの自宅のガレージで
 首を吊っていた。
 2月28日、イギリスのサリー州でミハイル・ワトフォードが縊死していた。
 3 月24日、億万長者でロシア医療用品大手「メディストム」オーナーのヴァシリー・メルニコフと
 妻、2 人の息子が、ニジニ ノヴゴロド市のアパートで刺殺されていた。

 ガス会社ノバテックの副会長セルゲイ・プロトセンヤは、4月にスペインの別荘で縊死していた。妻と娘も刺されて死亡した。

スペインのメディア報道は、バルセロナ近郊のリョレト・デ・マルの賃貸別荘で死亡しているのが発見されたと報じた.

 4 月、ロシアの大手金銀行「ガスプロム銀行」の元副社長、ウラジスラフ・ アヴァエフと妻と娘の遺体がモスクワのアパートで発見された。ピストル自殺だったと警察は発表した。
 
 5月、ルクオイルの元マネージャー、アレクサンダー・サブボティンの遺体が友人の家の地下室で発見され、毒殺らしいと報じられた。サボディンの跡を継いだのが、マガノフだった。

 そして8月30日、ペレストロイカ、グラスノスチでソ連を崩壊させ、冷戦を終結させたミハイル・ゴルバチョフ元大統領が入院先の病院で静かに息を引き取った。9月3日に国葬となるが、プーチンは欠席する。


以上です。

付け加えますと、2020/08/20、反体制派ジャーナリスト、大統領候補でもあったナワリヌイ氏は旅客機内で毒物によるものと見られる体調不良に陥り、同年09/07に回復するまで意識不明の重体となっていた。その後はご承知の通りです。


チャイナの習近平体制も、このようなロシア事情も、合理的に説明する言説が、筆者の狭い範囲の探索では見当たりません。唯一、気になりますのは半世紀以前に読んだ、梅棹忠夫著「文明の生態史観」です。この論説に〝納得〟を求めるしかありません。



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