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備前・旭川の憂鬱 (『経済予測を信頼しない投資』 22-53) [日記・雑感]


7chの「Newsモーニングサテライト」早朝の番組でして、筆者は時々しか見ていません。今朝2022/11/29 の番組で後半の10分弱、少々気になるコーナーがありましたのでご紹介します。

それはTV東京の豊島晋作キャスターがHoward Marks氏に直接インタービューしたものです。称して『経済予測を信頼しない投資』です。中心の画がHoward Marks氏です。

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筆者には〝全く〟馴染みがないのでWikipediaより抜粋。

[ハワード・スタンリー・マークス Howard Marks] (1946/04/22生まれ)は、アメリカ合衆国の投資家、
著述家。シティバンクの役員を務めた後、1985年にTCWグループに加わり、ハイイールド 、
コンバ ーティブル・セキュリティーズ 、ディストレスト・デット などのグループを組織し、主導し
た。

❖ 生年月日: 1946  /04/23 (年齢 76歳)

❖ 出生地: アメリカ合衆国 ニューヨーク州 ニューヨーク、民族的にはユダヤ系であったが、
 クリスチャン・サイエンスの信仰の下で育てられた。

❖ 純資産: 22億アメリカ合衆国ドル (2022年) フォーブス

❖ 学歴: ペンシルベニア大学のウォートン・スクールで学び、1967年に財政学専攻でカム・ロード
 (優等賞)を得て卒業したが、副専攻は日本学であった。シカゴ大学ブース・スクール・オブ・
 ビジネス(1969)で会計学とマーケティングを学び、経営学修士 (MBA) を取得
 現在、マークスはCFA協会認定証券アナリストである。

投資家の間では、マークスが顧客に詳細な投資戦略や経済情勢への洞察を伝える「オークツリー・メモ (Oaktree memos)」で知られている。

2011年に『投資で一番大切な20の教え―賢い投資家になるための隠れた常識 (The Most Important Thing: Uncommon Sense for the Thoughtful Investor)』を出版した(日本語訳は2012年)。

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文字起こししていきます。聞き違いもあるのはご容赦を!画像はすべて2022/11/29 の番組で放映されたものです。
豊島キャスターの質問は〝Q〟Howard Marks氏の回答は〝A〟で示します。

Q:基本的な投資への考え方について徹底的に聞かせてください。なぜ、あなたはマクロ経済予測に基づいて投資判断をしないのか?
A:2016年にウォーレン・バフェットからこう言われた。
〝重要な情報〟と〝知り得る情報〟という二つの基準を満たして、初めて「情報は好ましい」と言える。
確かに経済・市場・通貨・金利の未来を予測するマクロ経済予測は重要だ。
しかし、それは〝誰も知り得ないもの〟私の会社は、私が〝知り得ること〟に基づいて投資する。
個別企業や産業と株式について、より小さく投資対象をみる。大きな見方はしない。

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Q:インフレは一時的とはならず「インフレは一時的である」という言葉は、この1-2年のマクロ経済予測の間違いを象徴する言葉にみえるが、FRBもエコノミストもマクロ経済の予測を間違えた。この状況をどう見る?
A:私はFRBを責めるつもりはない。彼らは非常に難しい仕事をしている。
しかし、今あなたが話した事実は、マクロ経済の未来を予測できるような有利な立場の人は、どこにもいない証拠だ。
あなたが言うように、もはやFRBは1年先の自分たちの行動さえ予測できない。

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Q:日銀は2%の物価目標について達成できると言っているが、しかし、持続的に実現可能だと考える人はほとんどいないようだ。
A:日銀が目標を達成できないのは、私たちの会話の本質を物語っている。
かつてアインシュタインはこう言った。「狂気とは同じことを何度も繰り返して異なる結果を期待することだ」と。
その予測に耳を傾けるのは止めるべきだ。
中央銀行が何年も前から同じインフレ目標を掲げ、それをコントロールできないものだと理解すべきだ。

Q:あなたは投資で大切な教訓の一つは、簡単に売買のポジションを変えないことだと主張している。
A:株取引には金がかかり、手数料も必要だ。何より、ほとんどの人は取引をしすぎていて、さらに、ほぼ感情的に売買している。
物事がうまくいっているのを見ると、高い値段で買い、株価が下がると、安く売る。これは本来やるべきことと逆だ。
全く売買しない方が、ほとんどの人は上手くいくと思う。

Q:〝感情は投資判断の邪魔〟〝CPIの結果に投資家は動揺〟11月のアメリカの消費者物価指数(CPI)が出たとき、
私は為替のトレーディングルームで叫んでいた。市場の感情は爆発したかのようだったが、あなたにとって、こうした状況はホコリを払う程度の意味しかない?
A:CPIのデーターがどう出るかは関係ない。大切いなのは、今日あなたがいくら資金を持っていて、10年後に、それがいくらになるかだ。

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Q:今のマーケットでは悲観と楽観のどちらが優勢か?
A:現実の世界では、物事は「かなり良い」と「そんなに良くない」の間で動く。しかし、市場心理は「完璧」から「絶望」へと変化する。振り子のように揺れすぎているのだ。
今はいくらか、中間点に落ち着いていると思う。
この10年はポジティブ過ぎる市場心理が続いたが、今はやや悲観寄りの中間点と言えるかもしれない。今後は、企業や個人には、さらに厳しい状況になると思う。
これは、振り子がさらに悲観的な方向に揺れる可能性を意味し、どこまで触れるのか、それがいつかは誰にも分からない。
私は「自分が何を知らないか」を知っていて、これも、私が知らないことだ。
その後は、過去のように不況から回復すると信じている。カギは、より〝長期的な展望〟を持つことだ。


筆者は株式投資には〝全く〟縁もゆかりもありません。しかし、気候変動の狂騒曲と真逆で〝未来は分からない〟という事は正しいのではないか、と思いました。

蛇足ですが、中川毅著『人類と気候の10万年』過去に何が起きたのか、これから何が起こるのか、でもほぼ同じ内容、すなわち〝未来はよく判らない〟そうです。



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備前・旭川の憂鬱 (「地球無風化」電力確保に難題 22-52) [日記・雑感]


Financial Timesが『「地球無風化」電力確保に難題』を2022/11/21投稿しています。以下、引用します。筆者の勝手な考えを[※]で記しました。

異常気象と言えば、ショッキングな出来事を思い浮かべがちだ。腰までつかるほどの洪水、焼けつくような熱波、飢餓を招く渇水――。

[※]副題として、

長期に風が吹かない現象が起こることを想定し、電気を確保する方法を考えておく必要がある=ロイター

異常気象の一種である「渇風」があまり注目されないのは、すさまじさがないからだろう。欧州では2021年夏に風がほとんど吹かず、平均風速がこの数十年で最低になった国もある。

[※]この国はスペインです。拙blog https://ironbridge-uk.blog.ss-blog.jp/2021-10-28 をご笑覧ください。DER SPIEGEL の表紙が印象的です。

これは自然変動が一因かもしれない。だが気候変動によって長期的に風速が落ちるという「地球無風化」の予測とも合致する。欧州では風力が電源構成の重要部分を占めている。電力各社は気温が上昇し、凪(なぎ)状態に陥った地球で電気を確保する手立てを考えなければならない。

2021年は欧州の北西部や中央に位置するアイルランド、英国、デンマーク、ドイツ、チェコで年間平均風速が統計を取り始めた1979年以降最も、あるいは2番目に低かった。

[※]こんな事を今頃になって白昼堂々と言われても困ります。ところが・ところが、

「異常気象にも関わっている可能性」2021年とは対照的に、英国ではこの11月、陸上と洋上を合わせた30分間の風力発電量が20ギガ(ギガは10億)ワットと過去最高を記録した。

英ブリストル大学で気象が発電に及ぼす影響を研究しているハナ・ブルームフィールド氏は風が発生する仕組みは複雑で、異常気象の原因を正確に突き止めるのは難しいが「地球無風化が関わっている可能性がある」とみる。

使う気象モデルによっても、地球温暖化が究極的に風速を上げるか下げるかで結論が変わることに気がついた。

[※]今になって?と毒づきたいところです。[兆円]単位の研究費を浪費しましたが、気付いたのはよかったと思います。COPで大騒ぎしている輩も、冷静に地球温暖化を見直してはどうか!?と思います。

同氏は発電に風力を使うのが誤りではなく、風速の変動に対応できるインフラ計画が必要なのだと強調する。

[※]これはソーラーPVも全く同じ環境下(禍)にあります。発電能力(kW)だけで〝再生可能エネルギーで全ての電力を賄える〟という不勉強です。石炭を含む化石燃料や原発が、不出来な再生可能エネルギーを裏で下支えしている事を無視か見て見ぬふりをしています。

気候変動抑制の目標を達成しつつ、長期にわたってエネルギーを確保するには電力源の多様化や、より優れた蓄電技術の開発、気象の長期予測の活用が欠かせない。複数の国を高圧ケーブルでつなぎ、電力を融通し合えるようにしておくことも忘れてはならない。(以上、引用終了)

[※]前者は半分賛成です。ただし蓄電装置もEVの電池と同じ技術範囲ですから、廃棄物処理あるいは再利用技術の開発が並行して必要です。特定できる原発の使用済み燃料よりも質が悪いと思います。

後半は〝あり得ません〟なぜならば欧州の天然ガス・パイプラインを見れば分かります。カントリーリスクの極めて高い近隣の国と〝高圧ケーブルでつなぎ、電力を融通し合う〟なんてあり得ません。自殺行為です。

この投稿の原本は以下の通りです。
(c) The Financial Times Limited 2022. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.


ロシアのウクライナ侵攻2022/02/24以前に、下記議論が欧州でなされていました。それは、

『再生可能エネばかりを重視したヨーロッパがはまったエネルギー危機』EUROPE’S ENERGY LESSONS 2021/10/14 ブレンダ・シェーファー(民主主義防衛財団エネルギー問題上級顧問) From Foreign Policy Magazine です。以下引用します。

現在のエネルギー需給の逼迫を招いた原因は、〝再生エネルギーへの過剰投資〟と〝エネルギー地政学の軽視〟にあり電力供給に不安があれば、政府機関やインフラも維持できない。エネルギー安保の重要性は明らかで、いわゆる国家安全保障と同等に扱われねばならない。

[※]なーんだ、欧州にも冷静な論者がいるんだ!?と感心しました。そして「現実の複雑さを無視した議論」と続きます。

ヨーロッパのエネルギー問題をめぐる議論は、もっぱら再生可能エネルギー派と化石燃料派の対決という構図で行われてきた。

これは文化戦争であり、後者は風力も太陽光も安定性を欠く(そもそもヨーロッパの大半の地域は日照が少ない)から、そんなものには依存できないと論ずる。逆に前者は、化石燃料は価格が変動しやすいし、ロシア産の天然ガスに依存することのリスクは大きいと指摘する。

市場原理に委ねようとする右派の思想と、そうはさせまいとする左派の思想。そのせめぎ合いこそが今日のエネルギー危機につながった。

[※]まったく仰る通りと思います。日本でも凡そ同じ議論です。そしてここからが本質〝EUの誤算でロシア有利の状況に〟です。これは具体的には、メディアの誉れ高いアンゲラ・メルケル前首相の明らかな失政を意味します。

そのため、この政策はいくつかの点でネガティブな結果を招いた。まず、日々変動するスポット価格を基準にした結果、天然ガスの価格支配力を持つロシア側の優位性が一段と高まった。

ロシアはヨーロッパ向け天然ガスの最大の供給国であり、生産力には十分な余裕がある。だから供給量の調節によって、いくらでも市場価格を操作できる。

問題はそれだけではない。太陽光や風力に頼る場合、発電量は天候に左右される。しかし電力会社は電力の安定供給と停電回避を求められているので、悪天候時のバックアップ用に在来の(つまり天然ガスや石炭を燃やす)火力発電施設も維持しなければならない。

[※]この〝電力会社は電力の安定供給と停電回避を求められているので、悪天候時のバックアップ用に在来の(つまり天然ガスや石炭を燃やす)火力発電施設も維持しなければならない〟を、グレタ・トゥーンベリーちゃんらエコ・テロリストらは不勉強の極みなんです。

言うまでもないが、そうした余剰発電能力の維持には費用がかかる。しかしその費用は、再生可能エネルギー事業者ではなく、電力会社が負担し、最終的には消費者に転嫁される。

[※]〝エコ・テロリストの我が儘〟は、最終的には消費者に不安定な電源と価格上昇として転嫁されるのです。

しかもエネルギー価格の上昇を受けて、イギリスを含む各国政府は新たに価格上限を設けた。これでは市場の自由を放棄したに等しい。(以上、引用終了)



という訳でして、やっとこさで真面な議論ができるようになって来ました。

以前にも述べましたが、エネルギー問題は各国でお家の事情が異なりますので〝独自〟でしか決定できません。

日本は日本固有の [エネルギー安全保障] より、エネルギー危機の歴史や国際協調の程度の〝確たる考え方〟を固めて、悪戯に協調路線を歩む必要はありません。COPでの〝化石賞〟大いに期待しましょう。



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備前・旭川の憂鬱 (国際連合:United Nation の存在意義 22-51) [日記・雑感]


国際連合:United Nation の存在意義が大きく問われている。従来より強く認識されてはいたが、なかなか手を着けられずに現在まで持ち越してきました。特に「安全保障理事会」が問題なのです。

国際連合広報センターのHPによると(抜粋)、

国連憲章のもとに、国際の平和と安全に主要な責任を持つのが安全保障理事会である。理事会は15カ国で構成される。

常任理事国5カ国(チャイナ、フランス、ロシア連邦、イギリス、アメリカ)と、総会が2年の任期で選ぶ非常任理事国10カ国である。

各理事国は1票の投票権を持つ。手続き事項に関する決定は15理事国のうち少なくとも9理事国の賛成投票によって行われる。実質事項に関する決定には、5常任理事国の同意投票を含む9理事国の賛成投票が必要である。

常任理事国の反対投票は「拒否権」と呼ばれ、その行使は決議を「拒否」する力を持ち、決議は否決される。

これまで、5常任理事国すべてがさまざまな折りに拒否権を行使してきた。常任理事国は、提案された決議を完全には支持できないが拒否権によってそれを阻止することを望まない場合は、投票を棄権することができる。
(以上、引用終了)

改めて確認するまでもなく、この「常任理事国」の【拒否権】が問題なのです。

そして今年の02/24以降、この「常任理事国」が国連憲章を、あってなきが如し、の行動、戦争を引き起こしたという現実は〝禍根〟という言葉では言い尽くせない悲劇です。

これではどんなに善良で有能なアントニオ・グテーレス事務総長でも対応・対策はありません。国連の存立基盤が毀損してしまいました。すなわち、存在意義が無に帰してしまいました。



国連の最近の動きをメディアで見てみました。

『国連総会、ロシアの4州併合非難決議を採択 143カ国が賛成』 2022/10/12 By Reuters
国連総会は12日、ロシアによるウクライナ東・南部4州の「違法に併合しようとする試み」を非難する決議案を賛成多数で採択した。

[国連 12日 ロイター] - 国連総会は12日、ウクライナ情勢を協議する緊急特別会合で、ロシアによる東部・南部4州の一方的な併合を違法だとする非難決議案を賛成多数で採択した。また全ての国に対し、ロシアの行動を承認しないよう要請した。ロシアの外交的孤立が一段と深まった。

決議には193カ国(全国連加盟国)中143カ国が賛成。ロシアのほか、シリア、ニカラグア、北朝鮮、ベラルーシが反対した。チャイナを含む35カ国は棄権した。

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採択後、ウクライナのキスリツァ国連大使は記者団に、素晴らしい結果だと述べた。米国のトーマスグリーンフィールド国連大使は、ロシアが世界を脅かすことはできないことを示したと強調した。

〝今回の決議案では、2月のウクライナ侵攻直後に141カ国が支持したロシア非難決議を上回る賛成票が得られた〟としているが、賛成は全国連加盟国〝約80%〟に過ぎないのです。



そして、2022/11/14には国連総会で下記採択がありました。

『ウクライナ侵攻の損害賠償をロシアに求める決議が国連総会で採択 73カ国が棄権、チャイナなど14カ国が反対』
2022/11/15日 東京新聞(元ネトウヨ労働者の筆者としては珍しく引用) ニューヨークの国連本部

 【ニューヨーク=杉藤貴浩】国連総会(193カ国)は14日、緊急特別会合を開き、ロシアに対してウクライナ侵攻による損害への賠償を求める決議を採択した。日米欧など94カ国が賛成した一方、途上国を中心に慎重論も強く、棄権は73カ国に上った。反対はロシアやチャイナ、イランなど14カ国だった。

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単純化してしまえば全国連加盟国の〝半数〟しか賛成していません。

 決議は「ロシアは損害賠償を含め、国際法に違反する全ての行為に法的責任を負わなければならない」と指摘。賠償のための国際的な枠組み構築の必要性などを盛り込んだ。加盟国に対し、ウクライナと協力して損害を記録したり、損害の証拠を収集したりすることも促した。

 決議案はウクライナや日米欧などが共同提案した。ウクライナのキスリツァ国連大使は演説で「侵攻によって人生を永遠に変えられた何百万人もの人々への正義を求める」と主張。英国のウッドワード国連大使は「ウクライナの復興を支える幅広い国際的努力が必要だ」と擁護した。

 ロシアのウクライナ侵攻以降、ロシアの責任を指摘する総会決議の採択は5回目。総会決議に法的拘束力はないが、国際社会の意思を示す効果がある。

 ただ賛成国数は、ロシアによるウクライナ一部地域の「併合」を無効と非難した10月の決議の143カ国から大きく減少した。棄権したブラジルやエジプトなどは、賠償のための枠組みが総会の管理下に置かれない可能性を懸念。「賠償の枠組みがどのようなものになるか分からない。問題のある先例になる」(南アフリカ)との声もあった。

 ロシアのネベンジャ国連大使は、西側諸国が凍結したロシアの資産を賠償に利用しようとしていると反発。チャイナは「国連総会は国際的な司法機関ではない」と反対した。



安全保障関係の言葉の定義が筆者も明確ではなかったのですが、まあ一応確認しておきたいと思います。

先ず [集団安全保障] 
国連のような組織によって平和を約束し、それを破った主体に対して武力を含む強制措置をとる。

次に [集団的自衛権]
同盟の加盟国への攻撃が認められた場合、同盟国全体への攻撃とみなし攻撃された国を援助する。NATOや日米安全保障条約がこれに相当します。

理想的には国連による [集団安全保障] が好ましいのでしょう。戦後日本は一貫して [国連中心主義] を謳ってきました。しかし、何を隠そう、決定的欠陥は【拒否権】の存在と、 [国連] に武力を含む強制措置をとる [国連軍] が定義されていないことです。

日本の国土・国民の平和と存続を望むならば〝憲法9条〟を即刻改定することです。



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備前・旭川の憂鬱 (11.3 岡山城OPEN 22-50) [日記・雑感]


〝ひらけ 岡山城〟11.3 岡山城OPEN というイベントが開催中です。11月27日(日)までです。

キャンペーンのパンフには、
  1597年の築城に
  このまちの安寧を願った。
  1966年の再建に
  立ち上がる勇気を得た。
  そして2022年、
  令和の大改修が完了です。
  いまを生きる私たちは、
  何を願い、何を得るのだろう。
  
  雲は晴れる。
  明日はやってくる。
  ひらけ岡山城ーー

とあります。展示の監修はあのエンタメ歴史学者 磯田道史さんです。岡山市の出身です。

一昨日、天気も良く、この季節にしては寒くなかったので〝夜間照明の岡山城〟へ出向きました。お隣の福山市の〝福山城〟の改修イベントでは、照明ディザイナーの石井幹子さんが監修されていました。照明デザインは大切だなあ、と思います。

先ず城壁に映し出されたプロジェクションマッピングです。

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そしてライトアップされた〝岡山城〟です。

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そして城壁の石垣沿いの歩道に投影されたオブジェ、これは動画になっています。蝶は岡山・池田藩主の家紋でもあります。

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そして再度、城壁に投影されたプロジェクションマッピングです。内容は抽象的でして筆者は見るだけでした。

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新型コロナウイルス禍もだらだらと継続していますが、庶民はこの2年半で学習した感染予防をして「日常生活」を送りたいと思います。



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備前・旭川の憂鬱 (〝枕詞:まくらことば〟になった「安全・安心」 22-49) [日記・雑感]


〝枕詞:まくらことば〟中学国語 定期テスト対策、より転記します。

【短歌・俳句】 枕詞(まくらことば)とは何か、進研ゼミからの回答
枕詞とは,おもに和歌に使われる技法のひとつで,ある特定の言葉を導き出し,和歌の調子を整える働きをするものです。
(例)ひさかたの 光のどけき 春の日に しづ心なく 花の散るらむ
大意:光がのどかに照る春の日だというのに,どうして桜の花は落ち着きなく散っていこうとしているのだろうか。
上の例を見てわかるように,「ひさかたの」という語はとくに訳されることもなく,この和歌において直接意味を持っているわけではありません。このような語を「枕詞」といいます、とあります。

ということで、「安全・安心」は、直接意味を持っているわけではなく、調子を整える働きをするもの、枕詞になってしまいました。「絆」も同様でしょうか。政治家や関係者のご発言には、兎に角、演説や何かの時には必ず枕詞になってしまった「安全・安心」を付け加えます。筆者にはこの「安全・安心」が聞き苦しい限りなんです。


ではこの「安全・安心」を被災者の当事者であった林智裕さんが、ご自身の著書『「正しさ」の商人』徳間書店 2022年で論考されています。当該本の第1章「情報災害」とは何か 「安全」と「安心」は全く別の問題 p27-29 から引用します。

「情報災害」からの「安全」と「安心」を得るにはどうすればいいか。

その答えは、「災害本体」の解決と同時に「情報災害」にも目を向け、それを看過させよう、その答えは、「なかったことにささえよう」とする圧力に抗いながら、その加害構造を顕在化させて解決することにある。

最初に漠然と使われてきた、「安全」「安心」とはそもそも何か整理しよう。

たとえば、何らかの災厄や問題が生じるたび、社会では解決目標として「安全安心」という言葉がしばしば使われてきた。一方で、実際に起こっている風評の問題を追うと「安全であっても安心できない」など、一見矛盾するかのような台詞を耳にすることが多い。これはどういうことなのか。

「安全」と「安心」はそれぞれ「災害本体」と「社会不安」という、」全く別の問題に対応する言葉だとみることはできるだろう。いはば災害本体からの復興が「安全」であり、社会不安からの回復が「安心」といえる。「社会不安」は「「情報災害」を引き起こす大きな要因になる。

「安全であっても安心はできない」は、災害本体に比べ「情報災害」への対応が不足することで頻発する。同時に起こりながらも、対応すべき本丸を全く別にした「安全」と「安心」の言葉は、解決策を見誤らないためにも安易に混同されるべきではない。

たとえば、地震・津波・水害・土砂災害などが建物・道路や医療システム・地域産業など、ハード・ソフト両面において人々の暮らしを破壊するような災害本体は、その脅威を誰の目にもはっきりと見せつける。特に情報通信技術が発達した現代では、より広く、より大勢に、よりわかりやすい説得力と共に実態を伝えやすくなっている。東日本大震災での津波映像などは、直接被災しなかった人々にとっても極めて衝撃的であった。

社会はこれらの共有された教訓やデーターを生かし、「安全」に繋がる減災や被害軽減に向けての知見や対策を次々に積み重ねてきた。

一方で、「情報災害」はどうだろうか。

「情報災害」とは災害本体に付随する強い社会不安に伴った疑心暗鬼と風評、誤解によって起こる多様な悪影響のことを指す。これらは基本的にその全てが人災であり、人の認識や心、いわゆる「お気持ち」に由来する問題でもある。そのため、実態を広く可視化させて理解や知見を正しく共有することが難しい。被害が大規模かつ深刻になって初めて、問題が起こっていたことに気付かされるころさえある。

それでも「人の気持ちを一つ」など、甚大な物理的被害に比べれば些細な問題に思える人もいるかもしれない。しかし、人の「お気持ち」ほど厄介なものはない。

古今東西の歴史を鑑みても、あらゆる災厄には社会不安、あえて古い言い回しをすれば「人心の乱れ」と「流言飛語」が付き物で、多くの人々の言動に強い影響を与えてきた。場合によっては政変や革命、戦乱などの呼び水となって国家を転覆させたり、多くの命を奪うことさえあった。

「ペンは剣よりも強し」との言葉がある。良しに着け悪しきにつけ、人の心を大きく揺さぶる「情報災害」は、時に災害本体に勝るとも劣らない大きなインパクトを社会にもたらしてきた。にもかかわらず、その実態の可視化と共有が難しいため、問題解決どころか被害が被害として認識されないままのケースすら多々あったのだ。

さらに、被害が可視化共有されたとしても、その解決には大きな困難が伴う。どれほど厳重に「安全」を確保し、裏付けとなる客観的な根拠を山ほど積み重ねて説得したところで、人の「不安」をはじめとした「お気持ち」の問題は、最終的には本人の納得でしか解決できないからだ。

これらの理由から「情報災害」への対応、すなわち社会不安の鎮静化は災害本体への「安全」対策と比べて決め手に欠き、大きく遅れてきたと言わざるを得ない。

以上、長文になりましたが、引用を終わります。


もう一つ、昨年の原子力産業新聞『風の音を聴く』より全文引用します。筆者は、千野境子Keiko Chino さんです。彼女の経歴は以下の通りです。
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産経新聞 客員論説委員 神奈川県横浜市出身。早稲田大学第一文学部卒業後、産経新聞社入社。マニラ特派員、ニューヨーク支局長、外信部長、シンガポール支局長、論説委員長などを歴任。最新刊は「戦後国際秩序の終わりー世界の中の日本」


「安心・安全」が不安を増幅する?08 Jul 2021

政治家、企業人、一般人を問わず日本人は一体いつから、「安心・安全」をこんなにも乱発するようになったのだろうか。

右代表で菅義偉首相の場合、東京オリンピック・パラリンピックの「安心・安全な大会を実現するためにコロナウイルスの感染対策をしっかり講じる」に始まり、ワクチン接種や災害、事故、景気、原発再稼働など等、あらゆる場面で「安心・安全」が使われ過ぎて、またかと聞き流されるか、逆にホントに大丈夫なのかと不安を増幅させるかのどちらかで、もはや本来のメッセージ力が失われているように思う。

安心と安全は言うまでもなく、まったく別物だ。安心感とは言うが安全感とは言わないし、安全性とは言うが安心性とは言わない。この例が物語るように、安心は気持ちであり主観的、対して安全はある種のバロメーターであり客観的と言える。

どんなに安全を徹底しても安心するかどうかには個人差があり、「私は安心出来ません」と言われればお終いである。

そう考えれば、安心と安全をセットのように気軽に一緒に出来ないはずだ。もっとも菅首相が「五輪は安心と言うのは難しい」などと言おうものなら、それこそ上を下への大騒ぎになりかねないのが、現在の日本の社会でもあるだろう。

しかしこれはやはりおかしい。かつては、消費者問題であれ原発問題であれ「安心」と「安全」は分けて考え、安易に一緒にしないという常識が働いていた。少なくとも私が関わった2010年頃までの審議会とか有識者委員会などではそのようであった。

もちろん「安心・安全」は望ましいし、理想的だ。しかし現実にはそれほど簡単な話ではない。それなのに意識、無意識を問わず使われ過ぎた結果、効果半減どころかマイナスの事態さえ生じているのではないだろうか。

その第一は安心・安全を過度に重視した結果、行政、ビジネスを問わず日本の社会に失敗を恐れ、リスクを回避する傾向が強まったことだ。「ワクチン敗戦」との声が聞かれる。未だ国産ワクチンは出来ず、供給もペースを上げれば追い付かず、中止・再開とお粗末だ。理由は多々あるにしても、ワクチン開発や接種がリスクを伴うことと無縁ではないだろう。

第二は「安心・安全」は誰かが与えてくれるものという錯覚を招き、依存心や依頼心を強めたことだ。だから「安心・安全」が得られないと、その責任を他者に転嫁する。不安や不満は皮肉にも反って増大することになる。

第三はそうでありながら、矛盾したことに、少なからぬ人が実は「安心・安全」を本気で信じているわけではないことだ。

内心は「そうは言っても無理ではないか」と思っている。一種のバランス感覚で当然なのだが、一方で言葉が額面通りに信用されないことは、政治家であれば政治不信に繋がり、民主主義の劣化を招く。そもそも安心は信頼抜きには得難いものなのだ。

最後に第四はこれらのツケでもあると思うが、「安心・安全」の過度の尊重は社会から活力を奪う。失敗を恐れ、リスクを取るのが嫌なら、何もしなければ良い。何もしなければ失敗もないし、リスクにも直面しない。しかし社会は低迷、停滞を余儀なくされる。

昨今の学生が留学したがらない、商社マンが海外へ行きたがらないなどの傾向はその兆候のように感じる。
「安心・安全」の東京オリ・パラ実現のため、無観客で実施する可能性も高まる一方、東京に先立ちサッカー欧州選手権決勝(12日)を行うロンドンの場合、デルタ株の蔓延で一日2万人を越す感染者を出し、しかも増加傾向にありながら、英政府は6万人超の観客動員の方針を諦めない。ドイツやイタリアの開催地変更を求める声にも、ジョンソン首相は「安全かつ確実に(安心にではない)開催するつもりだ」と言ってはばからない。

英国を見習おうというのではない。文化も歴史も社会構成もすべて異なる以上、日本は日本の選択をする他ない。しかし「安心・安全」と言う前に、安心は一旦脇に置き、安全をトコトン追求する姿勢を貫徹してはどうだろうか。その方が問題の所在が浮き彫りにされる。

以上引用を終わります。


何れの方も「安全」と「安心」は解決策を見誤らないためにも安易に混同されるべきではないし、安易に使用すべきではない、社会からか活力を奪い委縮させてしまう、というものです。



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備前・旭川の憂鬱 (いつもの「秋」が帰ってきたか!? 22-48) [日記・雑感]


〝新型コロナウイルス禍〟もさすがに報道のヘッドラインのトップでは無くなってきました。観客を動員する〝鑑賞系のイベントも徐々に復活してきました。

確かに街に活気がっ戻ってきています。例えば、JR岡山駅のコンコース、2-3カ所でツアーコンダクター(旅程管理主任者)の方々に導かれている集団を見るようになりました。

千人以上入るホールでのイベントも活況を呈しています。数日前、反田恭平さんプロデュースのクラシック・コンサートに出かけたのですが、1,700人収容のホールが満席でした。

岡山城(1597年築城、戦災で焼失、1966年復元)は令和の大改修を終了〝11.3開け岡山城〟イベントをやっています。関連イベントも多数ありまして、回遊する人々を多数見ることができました。

11月上旬、街路樹も色づき始めています。アメリア楓は見ごろでしょうか、イチョウはもう少し後でしょうか。

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ところが02/24以来、世界はタガが外れたような状況になっています。我が国へも11/03なんと「文化の日」にミサイルが飛んできました。〝Jアラート〟が発令されました。幸いなことに途中で空中爆発?し消滅したとか。

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戦後、一貫して「軍事」「安全保障」を禁忌・タブー視してきましたので、国民は対処の方法を全く知りません。政府もメディアも〝Jアラート〟が発令されると、安全なところに逃げてください、といった程度です。平和ボケも極まれり、といった「秋」です。



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