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備前・旭川の憂鬱 (『経済予測を信頼しない投資』 22-53) [日記・雑感]


7chの「Newsモーニングサテライト」早朝の番組でして、筆者は時々しか見ていません。今朝2022/11/29 の番組で後半の10分弱、少々気になるコーナーがありましたのでご紹介します。

それはTV東京の豊島晋作キャスターがHoward Marks氏に直接インタービューしたものです。称して『経済予測を信頼しない投資』です。中心の画がHoward Marks氏です。

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筆者には〝全く〟馴染みがないのでWikipediaより抜粋。

[ハワード・スタンリー・マークス Howard Marks] (1946/04/22生まれ)は、アメリカ合衆国の投資家、
著述家。シティバンクの役員を務めた後、1985年にTCWグループに加わり、ハイイールド 、
コンバ ーティブル・セキュリティーズ 、ディストレスト・デット などのグループを組織し、主導し
た。

❖ 生年月日: 1946  /04/23 (年齢 76歳)

❖ 出生地: アメリカ合衆国 ニューヨーク州 ニューヨーク、民族的にはユダヤ系であったが、
 クリスチャン・サイエンスの信仰の下で育てられた。

❖ 純資産: 22億アメリカ合衆国ドル (2022年) フォーブス

❖ 学歴: ペンシルベニア大学のウォートン・スクールで学び、1967年に財政学専攻でカム・ロード
 (優等賞)を得て卒業したが、副専攻は日本学であった。シカゴ大学ブース・スクール・オブ・
 ビジネス(1969)で会計学とマーケティングを学び、経営学修士 (MBA) を取得
 現在、マークスはCFA協会認定証券アナリストである。

投資家の間では、マークスが顧客に詳細な投資戦略や経済情勢への洞察を伝える「オークツリー・メモ (Oaktree memos)」で知られている。

2011年に『投資で一番大切な20の教え―賢い投資家になるための隠れた常識 (The Most Important Thing: Uncommon Sense for the Thoughtful Investor)』を出版した(日本語訳は2012年)。

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文字起こししていきます。聞き違いもあるのはご容赦を!画像はすべて2022/11/29 の番組で放映されたものです。
豊島キャスターの質問は〝Q〟Howard Marks氏の回答は〝A〟で示します。

Q:基本的な投資への考え方について徹底的に聞かせてください。なぜ、あなたはマクロ経済予測に基づいて投資判断をしないのか?
A:2016年にウォーレン・バフェットからこう言われた。
〝重要な情報〟と〝知り得る情報〟という二つの基準を満たして、初めて「情報は好ましい」と言える。
確かに経済・市場・通貨・金利の未来を予測するマクロ経済予測は重要だ。
しかし、それは〝誰も知り得ないもの〟私の会社は、私が〝知り得ること〟に基づいて投資する。
個別企業や産業と株式について、より小さく投資対象をみる。大きな見方はしない。

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Q:インフレは一時的とはならず「インフレは一時的である」という言葉は、この1-2年のマクロ経済予測の間違いを象徴する言葉にみえるが、FRBもエコノミストもマクロ経済の予測を間違えた。この状況をどう見る?
A:私はFRBを責めるつもりはない。彼らは非常に難しい仕事をしている。
しかし、今あなたが話した事実は、マクロ経済の未来を予測できるような有利な立場の人は、どこにもいない証拠だ。
あなたが言うように、もはやFRBは1年先の自分たちの行動さえ予測できない。

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Q:日銀は2%の物価目標について達成できると言っているが、しかし、持続的に実現可能だと考える人はほとんどいないようだ。
A:日銀が目標を達成できないのは、私たちの会話の本質を物語っている。
かつてアインシュタインはこう言った。「狂気とは同じことを何度も繰り返して異なる結果を期待することだ」と。
その予測に耳を傾けるのは止めるべきだ。
中央銀行が何年も前から同じインフレ目標を掲げ、それをコントロールできないものだと理解すべきだ。

Q:あなたは投資で大切な教訓の一つは、簡単に売買のポジションを変えないことだと主張している。
A:株取引には金がかかり、手数料も必要だ。何より、ほとんどの人は取引をしすぎていて、さらに、ほぼ感情的に売買している。
物事がうまくいっているのを見ると、高い値段で買い、株価が下がると、安く売る。これは本来やるべきことと逆だ。
全く売買しない方が、ほとんどの人は上手くいくと思う。

Q:〝感情は投資判断の邪魔〟〝CPIの結果に投資家は動揺〟11月のアメリカの消費者物価指数(CPI)が出たとき、
私は為替のトレーディングルームで叫んでいた。市場の感情は爆発したかのようだったが、あなたにとって、こうした状況はホコリを払う程度の意味しかない?
A:CPIのデーターがどう出るかは関係ない。大切いなのは、今日あなたがいくら資金を持っていて、10年後に、それがいくらになるかだ。

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Q:今のマーケットでは悲観と楽観のどちらが優勢か?
A:現実の世界では、物事は「かなり良い」と「そんなに良くない」の間で動く。しかし、市場心理は「完璧」から「絶望」へと変化する。振り子のように揺れすぎているのだ。
今はいくらか、中間点に落ち着いていると思う。
この10年はポジティブ過ぎる市場心理が続いたが、今はやや悲観寄りの中間点と言えるかもしれない。今後は、企業や個人には、さらに厳しい状況になると思う。
これは、振り子がさらに悲観的な方向に揺れる可能性を意味し、どこまで触れるのか、それがいつかは誰にも分からない。
私は「自分が何を知らないか」を知っていて、これも、私が知らないことだ。
その後は、過去のように不況から回復すると信じている。カギは、より〝長期的な展望〟を持つことだ。


筆者は株式投資には〝全く〟縁もゆかりもありません。しかし、気候変動の狂騒曲と真逆で〝未来は分からない〟という事は正しいのではないか、と思いました。

蛇足ですが、中川毅著『人類と気候の10万年』過去に何が起きたのか、これから何が起こるのか、でもほぼ同じ内容、すなわち〝未来はよく判らない〟そうです。



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