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備前・旭川の憂鬱 ( 『日本人の起源』で新しい知見 23-08) [日記・雑感]


『日本人の起源』は昔々より数多くの学説や風説が流布されています。その中でも〝邪馬台国〟議論は最たるものです。

この議論に初めてと云っていい科学的なアプローチがなされたのではないか、と思った言説が2本あります。

その一つが、太田博樹『縄文人ゲノムから見た東ユーラシア人類集団の形成史』YouTubeアップロード日:2022/06/09
https://www.youtube.com/watch?v=ZiQovcBGp8k&t=955s 
もう一つが、長浜浩明『分子人類学から読み解く日本人のルーツとは?』YouTubeアップロード:2022/?/?
https://www.youtube.com/watch?v=-qwim83ScRY&t=1744s 

いずれも日本人のルーツは「南方系」であり、従来言われていた「北方系」ではない、という説です。


筆者の学生の頃、1970年頃は、例えば江上波夫氏の『騎馬民族国家』中公新書1967/11/25初版にあるように〝日本国家と民族の起源は東北アジア騎馬民族の日本制服にある〟といった説が主流であったように思います。

しかし、現代では従来の「日本書紀/古事記」「チャイナの史書」「朝鮮の史書」「考古学」「神社の由緒/社伝」に加えて、科学的なアプローチが可能な「地理学」「言語学」さらに「生物学/分子生物学」「分子人類学」「形態人類学」等が客観的なデーターを提供してくれるようになりました。


近年DNA/ゲノムによる解析技術が高度化し、万人を納得させる科学的根拠が公開されるようになりました。これにより従来は神話とか口伝に過ぎないと蔑ろにされてきた事象にも科学の手が入るようになりました。

イギリスの歴史家アーノルド・J・トインビーは、
・理想を失った民族は滅びる
・すべての価値を物や金に置き換えて心の価値を見失った民族は滅びる
・自国の歴史を忘れた民族は滅びる
と云ったそうですが(どこぞの国の現状でしょうか?)、三番目の〝歴史を忘れた民族は滅びる〟は、まさに神話とか口伝も含めて考えるべきではないかと思います。


前述の太田博樹氏に従って筆者の理解した範囲で『日本人の起源』を記したいと思います。記号[kya] は [千年前] を意味します。

人類の発生はアフリカで200kya、その後人類はアフリカを50-60kyaに出発しまた。人類の Great Journey です。

そして、ユーラシア大陸の東半分に注目です。
東方向には2ルートあり、一つはヒマラヤ山脈を境に〝北ルート〟もう一つは〝南ルート〟です。

ホモサピエンス東端への拡散_768.jpg

〝北ルート〟のバイカル湖近傍では「後期旧石器時代」の「細石刃」が発見されています。ユーラシア大陸東端の日本列島でも38kyaから、この類似石器が出土していますので、後期旧石器人の直接の子孫である「縄文人」が居住していたものと思われます。

しかし、上記地図の [?] の東アジア中央辺りでは、〝北ルート〟と〝南ルート〟が交わっていたか!?ですが、これが不思議なことに、現代の人間のゲノム情報では〝南ルート〟の痕跡しか見つからないそうです。

〝北ルート〟の痕跡はありません。現在の東南アジアの人達と同じルーツであり、ゲノム情報は日本人はここから枝分かれしたと統計学の「再尤法」は示しているそうです。

最尤法系統樹解析_768.jpg


前述の通り、日本列島でも38kyaと見られる時期に縄文文化を持った「縄文人」が生活していました。16kyaには〝土器文化〟が出現しています。

これは丁度〝最終氷河期〟が終了し地球が温暖化した時期でして、海面が上昇しました。この頃、日本列島は大陸から孤立化しましたので、「縄文人」も孤立化しました。

❖ 中川毅著『人類と気候の10万年史』より、グリーンランドの氷床から判ったこと〝11.2k年前〟全世界で氷期は突然に終了した。とあります。

3kya頃、稲作文化が大陸からやって来たようですが、これ以前の「縄文人」のゲノムは古い状態を維持して来たことになります。

東ユーラシア人類集団形成_768.jpg

上図がまとめになります。

人類はアフリカを出発し、ユーラシア大陸の東へ旅 [great journey] したが、ヒマラヤ山脈の北側のルートを辿った人類と、南側のルートを辿った人類の二通りに分かれる。

南側のルートを辿った人類は東南アジアに、そこから海沿いと思われるルートで〝北上〟した。そして25kya頃日本列島に到達した。

さらに北上し東アジア人、北東アジア人に分岐した。北側のルートから南下した形跡は現状では見当たらない。ただし、東アジア人が定住した26kyaから、北東アジア人が定住したと考えられる23kya間に、北側ルートからのgeneflow混血が認められる。

現代の日本人は「縄文人」からのgeneflow混血が認められる。

3kya頃、大陸から稲作文化が日本列島にやって来たと考えられているが、それまでは「縄文人」が長期間古い遺伝子を持ち続けたと考えられる。

以上が、正統派アカデミアの出した結論です。これからサンプルを増やして行くと新しい知見が見つかるかも知れないと言っています。

長浜浩明氏がもう少し世俗的に現代東アジアの人種構造を可視的に表した図を示しています。

長浜浩明_768.jpg

正統派アカデミアの太田博樹氏の出した結論を、世俗的に表しても〝日本人のルーツ〟は変わりません。江上波夫氏の『騎馬民族国家』論は否定されたように思います。



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備前・旭川の憂鬱 (不思議な「世論調査」結果  23-07) [日記・雑感]


当blogでも述べてきましたが、最近「世論調査」結果が的中したことがありません。そうはいっても10%程度の誤差?を許容すれば、せっかくのお金と時間をかけて調査した結果をいくらか参照できるのではと思います。

その中で、時事通信社のごく最近の「世論調査」結果を見て、正直驚きました。それは下表を参照頂きたいと思いますが、各政党の直近3ヶ月間の支持率推移です。

時事通信2023_02 - 409.jpg

〝支持政党なし〟が過半数を占めます。筆者の記憶では、支持政党なし、あるいは無党派層に関して、
 ・NHK選挙webの1月調査〝特に支持している政党はない〟は36.7%、
 ・フジ産経合同の1月調査〝持政党はない〟は41.6%
 ・日経テレ東の1月調査〝支持(好意)政党なし〟は27 %
と凡そ〝三分の一〟と思っていたからです。

筆者なりの結論は、支持なしが過半数なんだから〝政治はいらんよ!〟と主張している国民の意思を尊重して、議員定数を「半分」にすべし、と思いました。


では、内閣支持率はどうでしょうか?それは各紙比較表があります。

日経テレ東世論調査2023_01_31 - 256.jpg

まあザーと見て33%前後でしょうか。世界の西側陣営の政権支持率も同じようなものです。ですから、過半数が〝支持政党なし〟はやはり【異常】と云わざるを得ません。

立民をはじめとする日本の野党は、安倍政権の頃から週刊誌のスキャンダルを10年近くもの間、国会で追及し続けました。その間、国民の声を全く聞かず、特定の集団に特化した活動に終始しました。その結果、政党の離合集散ではなく、離散・離散の連続で、民主主義の最大のイベントである〝選挙〟で党勢を著しく縮小させて来ました。

ところが、ごく最近の玉木雄一郎代表のTwitterの投稿です。これが民主主義を守るための国会議員の〝正しい〟姿と思います。もしもですが、自民党に求めるなら惜しいかな引退された〝伊吹文明〟さんでしょうか。

玉木雄一郎.jpg

国会議員はこの投稿をしっかりと読んで頂きたいと思います。まあ、ムリでしょうね。



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備前・旭川の憂鬱 (久しぶりの半日ドライブ  23-06) [日記・雑感]


岡山市の東側、大阪方面へ1時間弱ドライブすると、昔は港町、今は観光の「牛窓」という町があります。記録によりますと、朝鮮通信使の宿泊場にもなってました。

バブルのころはペンション・別荘地として脚光を浴びたそうですが、今は観光とキャベツ・白菜といった園芸作物で活況を呈しています。

冬らしい曇天です。

DSC_a.jpg

ヨットハーバーから小豆島方向を見た景色です。

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2階が「港の中のキッサテン」と云うカフェです。今様でして高感度は高いです。ランチ、スウィーツ、本格的なコーヒーがそろっています。

DSC_d.jpg

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当日02/01は大寒でした。しかし〝天気情報〟が比較的良好と言っていましたが、想像よりは雲がかかっていまして〝陽ざしの春〟とは行きませんでした〟。



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備前・旭川の憂鬱 ( ボケ防止 昨年と今年の気温比較 23-05) [日記・雑感]


今年は(も)寒く感じます。感覚が当てになりませんので、恒例になりましたが、岡山市の年末年始の気温比較をやってみました。加齢と伴にとにかく寒さがつのります、演歌ではありませんが...

比較は <2021/12-2022/01> と <2022/12-2023/01> です。データーは気象庁のHPからです。その結果は、

気温比較.jpg


数値に置き換えますと、以下の〝表〟になります。

気温まとめ.jpg

1月上旬を除き、概して今年の方が気温が〝1℃は低い〟ようですし、0℃以下の冬日の日数も昨年よりは多いようです。感覚もまあまあかな!?と安心しました。



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