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備前・旭川の憂鬱 (「原発事故の除染費用」16-51) [日記・雑感]


mediaの見出しが躍ります。「原発事故の除染費用 当初見込みの1.5倍に膨らむ」

東京電力福島第一原発事故の除染作業に必要な費用が、国が当初見込んだ額の1.5倍の3兆7600億円に膨らんでいるそうです。 これとは別に、除染廃棄物を保管する中間貯蔵施設の整備などにも1兆1000億円が必要だそうです。

こうした費用の膨張は、復興関係の公共工事の集中による人件費の高騰や、除染の遅れで農地に大量の木が生い茂って取り除く作業が必要になったことなどが影響していて、環境省によりますと、廃棄物を一時保管している仮置場の管理などで今後も費用が膨らむ見通しです。

福島県などで行われる除染作業にかかる費用の総額について国は3年前、2兆5000億円と見込んでいましたので、確かに大幅な増加と言わざるを得ません。それも先行きは不確かです。


これでは東京電力だけで、将来も含めこのような大金を捻出するのは、素人目にも極めて困難に見えます。

そもそも、何故にこのような「除染」が必要なのでしょうか!?

それは原発事故で「土壌が汚染」されたからに決まっている〝今頃になって間抜けな質問をするな!〟と叱られそうですが、本当でしょうか???

そもそも、放射能汚染はどの程度をもって「汚染」と判断するのか?どの程度まで「除染」すべきなのでしょうか?これは学者がSNS等で「科学的で合理的な数値」を公表しておられますし、実際の現場で医療に携わっておられる医師の方々も実情を発信されておられます。その一例を紹介します。


坪倉正治医師:南相馬市立総合病院非常勤内科医が「from MRIC」に投稿された言説をコピペします。

「空間線量0.23µSv/h」という数値があります。国は追加被曝が長期的には年間1mSv以下となることを目標としていますが、その「年間追加1mSv」を時間当たりに換算した値がこの「0.23」です。1mSvを単純に24時間、365日で割った値ではなく、1日のうち、16時間は遮蔽(しゃへい)の強い家の中、8時間は家の外にいると仮定し、1mSvから計算された値です。 (中略) 言い換えれば、空間線量0.5~0.6µSv/h以下であれば、もう既に長期的な目標の年間追加1mSv以下を達成している。誤解を恐れずもっと言えば、空間線量0.5~0.6µSv/hであれば、長期的目標に照らし合わせてもそれ以上除染しなくて良いのでは? という主張がなしえます。


米有力紙、ウォールストリート・ジャーナルが、2015.12.20付記事 【原発最新事情】で、誇張されすぎた被曝リスク「われわれは愚かだった」と被曝リスクについての報道を〝反省”〟しています。

年間100mSv以下では、広島や長崎の原爆の被爆者を対象とした膨大なデータをもってしても、発がんリスクの上昇は認められない。つまり、100mSv/年以下の低線量では、どれだけ被曝しようと、直線的関係は成り立たないということだ。

これは〝放射線による生体へのダメージには閾値がなく線量に比例して直線的に増大する〟というLNT仮説(the linear-no-threshold hypothesis)が低線量では成り立たない事を追認したものです。


「除染」推進者は地球表面・地上の放射線量を「0」にせよ!と主張しているように聞こえます。世界の自然放射線による被ばく量は以下の図のようになっています。

世界の被ばく量up.jpg

世界の平均値は、2mSv/yです。高いのは北欧でして4.5mSv/yでして、日本の平均値 (大凡世界の平均値に近いです) 1mSv/y以下にする事は非科学的ですし、不可能です。

日本では〝意識の高い〟朝日新聞を始め一部のmediaが「福島は危険だ」と繰り返したゆえに、国は過度に安全を追求する1mSv/年除染をする状況に追い込まれました。これは実施が不可能な計画です。自ら煽って、さらに起こった状況を糾弾するのはおかしいし卑劣です。


日本のmediaは原発(原爆?)反対の政治活動に「除染」を利用しているのは明らかです。


では現地・福島の方々のお考えは如何なものでしょうか?これがまた説明できません。勿論全員の方ではないのは承知ですが、SNSで聞こえてくるのは

「福島の魚や野菜の残存線量が測定不能なほど低いのは判っているがマア止めとく」


というものです。これを説明するには「井沢元彦」さんの〝逆説の日本史〟に求めるしかありません。

日本人の行動を決めている原理の一つに「穢(ケガレ)と禊(ミソギ)」がある。穢れたものは、禊ぎをしなければならない。不祥事で大臣や議員を辞任した後、次の選挙で当選し「禊ぎ」を済ませたというあれです。罪を他の何かに擦り付ける、水に流さなければなりません。

すなわち、放射線で「穢れ」たものは、禊ぎとして「除染」するということになります。これは科学や合理性ではなく「呪術」の世界です。「除染」=「呪術」と理解すればいくらか理解できます。ですから「呪術」に数兆円払っているのです。

これだけのおカネがあれば、保育士さんや介護士さんの「処遇改善」がいくらでもできそうです。日本のmediaは悪い政治活動に「除染」を使うのではなく、このような合理的な判断をしていただきたいものだ、と強く思います。



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(。・_・。)2k

こういうお金って東電は出さないんですか?
そういうの知りたいですよね

by (。・_・。)2k (2016-11-10 20:38) 

ironbridge

2k さん、コメント有り難うございます。老生は東電管内では無い事もあり詳しい事情は分かりません。ただ今日現在「東電」は国有会社ですよね。柏崎原発も稼働していないので収入源が無いのでは、と思います。国有で収入が無いと、結局「税金」となるのでしょうね。オカシイですが...
by ironbridge (2016-11-11 10:54) 

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