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備前・旭川の憂鬱 (「日本の財政は明日にでも破綻する!?」16-36)  [日記・雑感]


日本の財政は明日にでも破綻する〟といわれて久しいです。 10年以上は経過していると思います。 今日まで破綻していません。 何か世界的な金融危機とか、毎日の経済指標の公表とかで数値が悪いと、有事の円買いとか、比較的安全と称する 「日本円」買いや「日本の金融資産」を買うと解説?されます。

これは明らかにおかしいですね。 矛盾ですね。 いつ破綻するか判らない国の通貨や金融資産を買いますか?如何に貪欲な金融マンでも躊躇するでしょう。今まで納得できる説明が有りませんでした。(あったのかも知れませんが) ところが「井手英策さん」が説明してくれました。 

かれは2015年に 「経済の時代の終焉」 という本を上梓されています。 この本はハードカバーで結構難解そうなのですが、新書の意識で読めます。

井手英策up.jpg

日本国は1,000兆円を超える借金がある。 GDPの200%以上だ。 いずれも正しい。 しかし、国の借金=国債を来週の月曜日に、債権者全員が一斉に換金する事は考え難い。 もしもこのような事が起きれば、その時は間違いなく破綻する。 いわゆる銀行の「取り付け騒ぎ」です。

借金の国債は償還期限がくれば借り換えをして行けば全く問題はない。借り換え時、償還期間を10年とか20年にすれば、さらに問題は無くなる。 1000兆円を10年で償還とすれば、100兆円/年の借金となり、対GDP比、20%に減少する。 今日現在、金利は実質〝0〟だから。

この議論が正当化できる〝前提〟は、日本の借金・国債の保有者は90%が日本国民だからです。 ギリシアのように大多数が外国人保有だとそうは行かない。

次に、日本の経常収支が 「黒字」 だから、償還期限がくれば借り換えが可能です。 

この説明を演繹すると、経常収支が 「黒字」を継続しなければならない。 万全を期すには貿易収支も黒字継続したい、となります。

嬉しい事に2016年上半期の〝貿易収支は1兆8142億円の黒字。 東日本大震災以降、原子力発電所の停止で火力発電所向けの燃料輸入が増えていたが、5年半ぶり(11半期ぶり)に黒字に転換した〟そうである。原油価格が半分になっている事も要因です。

貿易収支up.JPG 

2011年からの原発の停止によって、代替燃料費となる天然ガスの代金は12兆円に達し、電力会社、そしてそれを国民が負担していました。

ですから、財政破綻を避けたいのであれば、そして消費を喚起したいのだから、日本の未来に問題ない(モームスの歌ですね、チョット古いが)、と国民が感じるようにするには、技術的に安全と認定された原発は速やかに稼働し、原油価格に依らず貿易黒字とすべきです。 日本国の財政を破綻させないためにも原発の稼働はやはり必要です。

原発の安全は 「科学技術」 の問題ですが、未だに信じられないと感じる方がいらっしゃるのも理解はできますが...

もう一つの重要な問題は 「経済 」 日々の生活の問題です。 原発を 「政治問題化」 させてはいけません。

<追 記>井手英策著「経済の時代の終焉」ですが、この本は財政破綻を取り扱ったものではありません。もっともっと広く深く経済を論じたものです。例えば〝「アベノミックス」ほど頑張ってもこの程度の成果しか残せなかった。できる事は全てやったという感じ〟とか〝戦後の経済政策は如何に米国の意図に基づいてなされたか〟や、〝2050年頃までは、1.2人で1.0人を支える構造(働く人 / 働かない人)が継続し悪化しない〟ここからが重要ですが〝これからの日本人が「人間らしく生きていける」にはどうするか、老後が不安・老後の病気が不安、将来に不安が多すぎるので消費が増えない。歴史はユートピアを実現した事は無い。資本主義も社会主義も、社会実験の連続だった。脱成長はいまはできない。国民が納得しない。税金は社会全体への「預金・貯金」とし、大学無料化、介護無料化を実現させる。幼児教育から教育水準を向上させる。女性の雇用も生まれるし、育った子供が優秀な勤労者になる〟という事を理詰めで解説されています。一読の価値が有ります。学者は役立たず!と思っていましたが、そうでもない学者がいらっしゃいました(笑)。



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