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備前・旭川の憂鬱 (シェイクスピア 『ヴェニスの商人』 19-46) [日記・雑感]


今さらの感は拭えないのですが、〝何故にユダヤ人は嫌われるのか?〟最近、新たにポーランドでユダヤ人のホロコーストが発見されたと報道もありました。

筆者が最初にユダヤ人を意識したのは、中学校の時と記憶していますが、 シェイクスピア『ヴェニスの商人』です。当時は〝一休さんのトンチ問答〟ぐらいにしか考えていませんでした。戯曲では、

〝「ちょっと待て、ユダヤ人。」ポーシャは言った。「まだ申し渡すことがある。この証文はお前に一滴の血も与えてはいないぞ。証文にはこう書いてある。『肉1ポンド』と。もし肉を1ポンド切り取るときに、キリスト教徒の血を一滴でも流したなら、お前の土地や財産は法律によってヴェニスの国家によって没収されることになるぞ。」〟

となっています。

多分本屋や図書館に行けば、〝何故にユダヤ人は嫌われるのか?〟そのままの題名の本がたくさんあると思います。真面目に勉強する意思はありませんが、Wikipedia に頼らないように改めて〝浅く〟調べてみました。


カール・カウツキー著 (共産主義者にして政治にも深くかかわった), 栗原 佑 (翻訳) 『キリスト教の起源―歴史的研究』には、イエスとは何者だったのか?と問い、

〝彼の事跡を追うことは難しい。「福音書」といった内部資料は客観的に事跡を記述しているとは思われないし、なによりも同時期の資料を紐解いてみても「イエス」という存在を見つけることはできない。おそらく彼は同時代に多数出没した預言者(筆者注:予言者ではない) 「キリスト(メシア、救世主)」のひとりであったのだろう。そして闘争に敗れ処刑場で散ったのであった。しかし彼が他の「キリスト」と違ったのは後世に名を残し現在も世界を動かすほど権力を握っていることである。〟

とあります。ここで〝闘争に敗れ処刑場で散った〟という件に注目したいと思います。


井沢元彦著 『逆説の日本史19 幕末年代史編Ⅱ』 第2章1859年編 p190-p191 より抜粋します。

〝ピラトは、それ以上言っても無駄なばかりか、かえって騒動が起こりそうなのを見て、水を持って来させ、群衆の前で手を洗って言った。〟

「ポンティオ・ピラト」は、西暦26年から36年まで、ローマ帝国のユダヤ属州で5代目の行政長官で、イスラエル総督を務めたローマ人です。どうも実在の人物のようです。

「この人の血につて、私は責任がない。お前たちの問題だ。」
民はこぞって答えた。「その血の責任は、我々と子孫にある。」
そこでピトラはバラバを釈放して、イエスを鞭打ってから、十字架につけるために引き渡した。〟

バラバは「聖書入門.com」によりますと、イエスに代わって釈放された犯罪人だそうです。

(1)バラバというのは、本当の名前ではなく、あだ名です。「バル(息子)」と「アバ(父)」という2つの語からできた合成語で、「父の息子」という意味になります。イエスは、「父なる神の子」としての実質を持ったお方でしたが、バラバは、名目だけの「父の息子」でした。
(2)当時の文献から、バラバの本名はイエスであったことが分かっています。イエスはヘブル(筆者注:ヘブライ)語で「イェシュア」です。イエスは、「イェシュア(主は救い)」としての実質を持ったお方でしたが、バラバは、名目だけの「イェシュア」でした。
(3)イエスは無実の罪で告発されていましたが、バラバはイエスが告発されている罪そのものを犯した罪人でした。バラバは単なる強盗ではありません。彼は人殺しであり、ローマに対する反逆者です。イエスはこのバラバのために身代わりの死を遂げることになります。 出典:クレイ聖書解説コレクション「ヨハネの福音書」


「新約聖書」の「マタイによる福音」(日本聖書協会訳)二十七章二十五節の一節、この二十七章二十五節が西欧社会に根深くあるユダヤ人差別の根本原因とされている。

イエス(キリスト) ユダヤ人の1人として生を受けた。それはユダヤ人ではなく、キリスト(=神 God)なのだ、というのがキリスト教の根本信仰なのだが、イエスの時代、多くのユダヤ人たちはイエスを神ではなく「神の名を騙る者」という大悪人だと考えた。だからこそ十字架にかけて殺せ!ということになった。

それを止めようと説得を試みたのが、ローマ人でイスラエル総督のピトラである。しかしユダヤ人たちは結局ピトラの説得を拒否し、あくまでも「処刑せよ」と繰り返し主張した。そこでピトラはとうとう諦め第二十四節にあるように「自分には責任は無いぞ(処刑はお前たちが責任を持て)」と言った。

これに対してユダヤ人たちが言い返したというのが第二十五節である「その血の責任(イエスを処刑することの責任)は我々と子孫にある」だったいうのだ。

この後、西欧社会においてユダヤ人は「キリスト殺しの極悪人」とされた。何百年たっても「責任は子孫に(も)ある」と、「聖典」に書いてあるのだから、子孫・子供に至るまで差別の対象になった。

イギリス、フランス、ドイツ、やロシア、そして欧州総ての国では、国民の大部分がキリスト教徒だ。だからユダヤ人は徹底的に差別された。アメリカでも同じことが起こった。


ここまで来ると 【もう、かなわん】 と言いたくなります。宗教のお話しは結局よく判りません。以前にuploadしました、https://ironbridge-uk.blog.so-net.ne.jp/2018-01-11 もご笑覧下さい。益々判らなくなります。



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