備前・旭川の憂鬱 ( 「棚田」岡山・大垪和(おおはが)西 19-61) [日記・雑感]
〝目の前に広がる棚田が絶景すぎる!〟
〝美しい日本の文化「棚田」を守るために、棚田へ行こうよ!〟
といったキャッチコピーが踊ります。
プロのカメラマン:cameramanはダメでフォトグラファー:photographerが棚田を撮影すると、本当に幻想的な風景となります。
じゃらん 観光ガイド「日本の美しい棚田32選」では、美咲(みさき)町・大垪和(おおはが)西の棚田を以下のように紹介しています。
〝岡山県の中北部、久米郡美咲町の標高400mの山間地に広がる棚田。谷全体にぐるり360度、すり鉢状に42.2ha、850枚の棚田の鎬模様が独特の曲線をもって描き出す景観は見事で、また四季折々に変化する様も美しい。「日本の棚田百選」にも選ばれている。〟
最近「蕎麦」を食しに近くに出向き、その帰りに立ち寄ってみました。
では農業、ビジネスとしての「棚田」を考えてみましょう。筆者のようなド素人が考えなくても関係者が既に何百回も検証されていると思いますが...筆者自身の納得のために。
農水省の資料によりますと平成29年の稲の収穫量の全国平均は10a当たり〝534kg〟でした。平成28年は544kgでしたから、まあ平均収穫量は〝540kg〟でしょうか。
大垪和(おおはが)西の棚田の稲の収穫量は、10a当たり420kgだそうです。全国平均の約78%です。この22%を何かの手段で埋め合わせなければ農家の方々の生業が成り立ちません。棚田はsustainableではありません。キャッチコピーの〝掛け声〟だけでは実現しません。
棚田米として25%高く売れればそれも有かな、と思います。「ブランド米」は通常価格の2倍以上で流通してるようですから可能性はあります。
観光棚田で売り出すことも有りですが、田植え前後や稲刈り前の一時期だけでは、集客力が限定されるでしょうね。
もう一つの重要な問題は担い手です。この大垪和(おおはが)西地区もその他の棚田も、担い手の老齢化は間違いなく顕著であろうと思います。
ですから「棚田」を守るために、棚田へ行こうよ!も必要な事でしょう。農繁期だけでも都会から棚田を守る労力として労働力を提供、すなわちボランティア活動をすれば、「棚田」を守ることに貢献できるでしょう。
最後に後ろ指を指されることを覚悟で〝美しい日本の文化「棚田」〟は本当か!?です。
日本だけでなく稲作文化のある所では「棚田」は存在します。
ただ水田が自然保護・環境保全に役に立っているというのはチョットどうかな、と思います。
なぜならば〝畑〟に較べて〝水田〟は自然・環境を破壊し、水平な田んぼを造成しなけれは〝水〟を保つことができませんから...
2019-06-08 09:53
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