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備前・旭川の憂鬱 (【COP25】会議期間中2度目の「化石賞」 19-202) [日記・雑感]


共同通信によりますと【COP25】で「石炭に未来はない」とEUは日本に利用脱却訴えたそうです。

具体的には〝EUのティメルマンス執行副委員長(気候変動担当)は12/12、二酸化炭素(CO2)を多く排出する石炭火力発電を日本が推進していることについて「石炭に未来はない。世界で温室効果ガス排出の実質ゼロを本当に実現するには石炭をやめなければならない」と訴え、石炭火力発電に反対する姿勢を強調した〟という事です。

このようなEU副委員長の発言は、公式イベント動画(EUのGreen Deal会見と若者との対話)では確認できないとのご意見もあります。

ドイツを含む欧州は伝統的に褐炭(リグナイト)を火力発電に使用しています。露天掘りの褐炭は巨大掘削機で掘削された後、直近にある「褐炭(リグナイト)火力発電所」へ直送されています。拙blog https://ironbridge-uk.blog.ss-blog.jp/2019-02-23 を参照ください。

木村正人さん(在英国際ジャーナリスト)によりますと〝【COP25】で「日本政府が石炭から段階的に脱却する行動を何も起こせなかったら、小泉環境大臣が並べた他のすべてのイニシアチブは意味がない」。それほど安倍政権の石炭火力発電とそのインフラ輸出には世界から非常に厳しい目が向けられているのです〟と会場の雰囲気を伝えておられます。


例によって感情論ではなく現実の統計値を追いかけて見たいと思います。ユーラシアグループ GZEROより下図を参照ください。


A pollute countries 512.png


この図からは日本やその他の主要国の位置が少々不明確ですからGlobal Carbon Project 2017から補足します。

全世界の二酸化炭素CO2排出量は331億ton/2018です。その内訳は順にチャイナ:27.2%、・アメリカ:14.6%でして、少し遅れてインド:6.8%、ロシア:4.7%、日本:3.3%、ドイツ:2.2%と続きます。

1人当たりの二酸化炭素CO2排出量では、オーストラリア:16.9 ton/人、カナダ:15.6 ton/人、アメリカ:16.2 ton/人、韓国:11.7 ton/人、ロシア:11.8 ton/人、日本:9.5 ton/人、ドイツ8.9 ton/人、チャイナ:7.0 ton/人、インド:1.8 ton/人と大きく入れ替わります。

これは当たり前の統計値です。先進的で高福祉国家は、開発途上国よりも多くエネルギーを使って、日本国憲法でいうところの〝健康で文化的な生活〟を営んでいるからです。これをGreta Thunbergグレタ・トゥーンベリさんのように原始生活に戻せ!すなわち二酸化炭素CO2排出を〝0〟とせよ!との主張は全く頂けません。


では何故に日本は【COP25】から非難されているのでしょうか。それはfake な削減目標を平気で公言するチャイナのような国と比較されるからだと思います。

その主張は〝石油は19%増、天然ガスは166%増、石炭は25%減なのに対し、再生可能エネルギーは553%増、原子力405%増、水力31%増〟だそうです。要するに欧州の環境原理主義者の意向に沿って〝再生可能エネルギーが伸びていることから、チャイナは温暖化対策の「優等生」〟となっていまして、日本はダメなんだそうです。

もしも日本も国家のエネルギー安全保障や、原発の風評を完全に払拭できれば、今すぐ現存の原発を稼働させれば、二酸化炭素CO2排出は大幅に削減できるでしょう。

日本の電力は1 kWh発電で約0.0005 tonの二酸化炭素CO2を排出しています。現在稼働中の原発と廃棄が決まった原発を除き、新規稼働待ち原発を入れると約3,000万kWの発電能力があるはずです。稼働率は75%程度ですから、原発を稼働させれば少なくとも大凡〝1億ton/年〟の二酸化炭素CO2排出量削減できるはずです。

環境省によりますと、日本全体の二酸化炭素CO2排出量は〝11.47億ton/2019版〟ですから、原発稼働で大凡10%削減が可能となります。ここから先は政治決断です。

もっとも欧州の環境原理主義者は再生可能エネルギーがお好きですから〝原発〟は眼中にないかも知れません。何れにせよ【COP25】なんかに非難されないように「日本国の確固たるエネルギー政策」の主張が大切です。



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