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備前・旭川の憂鬱 (科学的な「意思決定」プロセス 20-82) [日記・雑感]


アメリカでは新型コロナウイルス用のワクチンが許可へと2020/12/11、FDA:U.S. Food and Drug Administrationの諮問委員会が勧告―近く接種開始と報じられています。先ほどお昼のnewsでは〝ワクチン緊急使用許可〟がFDAより出たと報じられています。

FDAの許可が出ていないにもかかわらず、アメリカは体育館等でワクチンの接種に向けて機材が準備されていました。この辺りが日本人の行動形態とは大きく異なります。

確かに新型コロナウイルス禍はその影響や危機意識がアメリカと日本では大きく異なります。

2020/12/12午前では、死者数・感染者数はジョンズ・ホプキンス大学のsiteによりますと。アメリカは、15,820,714人 / 294,715人、 日本は、175,170人 / 2,445人、となっています。もっともアメリカの人口は3億2783万人、日本は1億261万人ですから、アメリカと日本を比較する時は最低でも数値の〝平準化〟が必要です。

これでは新型コロナウイルス用のワクチンに対する姿勢は大きく変わって当然です。トランプ大統領はこの辺りをもう少し配慮し〝科学・医学〟を重視する姿勢と行動を取れば再選の道も十分にあったと思います。


この新型コロナウイルス用のワクチンに対する〝許可へのプロセス〟が日本とアメリカでは全く異なるように筆者には感じています。時事通信のwebを引用します。

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米東部メリーランド州シルバースプリングの米食品医薬品局(FDA)本部=10日(EPA時事)
【ニューヨーク時事】米食品医薬品局(FDA)の諮問委員会は10日、米製薬大手ファイザーの新型コロナウイルスワクチンの緊急使用を勧告した。これを受けてFDAが許可を出すとみられ、深刻なコロナ禍に苦しむ米国で、市民らが初めてワクチン接種を受ける見通しとなった。
バイデン次期米大統領、ワクチン許可の勧告「明るい光」
FDAはオンラインで開催した委員会で、ファイザーのワクチンが臨床試験(治験)で期待に沿う有効性や安全性を示したと説明。出席した専門家らは、ワクチンの使用に伴うリスクよりも恩恵が上回ると判断し、〝17対4〟 の賛成多数で緊急使用の勧告を決めた。
 バイデン次期大統領は諮問委の勧告について、「明るい光だ」と歓迎した。米国はコロナ感染者・死者数が世界最多で、冬本番を前に感染ペースが加速。報道によれば、9日に報告されたコロナによる死者は3,000人を超え、過去最多を更新した。死者数は累計で少なくとも約29万人に達したという。
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筆者はこの記事で重視したいたのは〝出席した専門家らは、ワクチンの使用に伴うリスクよりも恩恵が上回ると判断〟の部分です。そして〝「17対4」の賛成多数で緊急使用の勧告を決めた〟とあります。

これが日本ですと〝ワクチンの使用に伴うリスクよりも恩恵が上回る〟が〝ワクチンの使用に伴うリスクがあるので、さらに多くの治験が得られるまで結論を保留した〟になるでしょう。

同じワクチンでは〝子宮頸がんワクチン禍〟もごく一部にありました。もっとも欧米では副反応は真偽は不明ですが〝皆無?〟と言われています。

一概に日本の科学に対する姿勢が悪いわけではありませんが、「緊急事態条項」の議論を見るまでもなく、民主主義のコストが悪い方向に使われているように思います。


この科学の問題が司法・裁判になると更に混乱します。一例が各地の原発訴訟ですし、諫早湾干拓締切堤防開閉問題です。特に前者の原発に関しましては、ご案内の通り、裁判所や裁判官により判断が「正反対」になります。

折角、専門集団である「原子力規制委員会」が〝科学的〟審査した結論を、ド素人の裁判官が覆すという〝暴挙〟が発生します。

それも、日本の裁判所や裁判官が一致して違法判決を出すのであれば、三権分立の建付けからして未だ許容できると思います。しかし、現実はそうではありません。

裁判所は〝良心的〟な裁判官が公正に審議していると主張するでしょう。であるならば日本の裁判所は複数の異なる〝良心〟があるという不思議な現象が発生しています。口悪く言えば〝裁判所は日本国民を愚弄している〟となります。

ここがアメリカのFDAと日本の裁判所の議論の仕方に大きな差異が見られます。〝17対4〟 で賛成多数の場合は〝リスクよりも恩恵が上回る〟と判断するのです。

日本とアメリカの〝科学的な「意思決定」プロセス〟の差異が顕在化した瞬間でした。



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