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備前・旭川の憂鬱 (「ホキ美術館 名品展」 岡山シティミュージアム 21-06) [日記・雑感]


千葉には佐倉市にモネや20世紀美術を中心とした「川村記念美術館」がありまして、この美術館へは千葉在住時、何回か行ったことがあります。併設のレストランがまた素晴らしいのです。

「ホキ美術館」は、千葉市緑区あすみが丘東 (知らない方は全くご存じないですよね!?) にある美術館でして、竣工は2010年9月だそうです。

筆者は四半世紀前は千葉市民でしたので、おおよその場所はよく知っています。何分、筆者が千葉を離れてから建設されましたので実際に行ったことはありません。

いわゆる〝写実派の細密画〟が中心の美術館です。〝写実派の細密画〟は写真・photoかと見間違えるほど緻密でして〝抽象画〟の対極にある絵画です。

〝ホキ〟と記載されていますので、何か海外との関係の命名かと勘違いするのですが、創設者の〝保木將夫さん〟のホキです。


一昨年の秋、岡山・瀬戸内市立美術館で「驚愕の超写実展 ホキ美術館×MEAM ヨーロッパ近代美術館」が開催されました。この時は、ホキ美術館が来るぞ!とミーハー的に見に行って来ました。

岡山シティミュージアムで「ホキ美術館名品展・究極の超写実絵画」が2020/12/18 -2021/02/23に渡って開催されています。筆者の興味がある展覧会ですので、是非と思っていましたが、やっと本日、鑑賞に出かけることができました。


「ホキ美術館」所蔵の絵画では、やはり現在の上皇・上皇后の肖像画を描かれた「野田弘志さん」、そして「石黒賢一郎さん」、「五味文彦さん」、「生島浩さん」、「島村信之さん」らが特に有名です。


生島浩さんの〝5:55〟は貸出要求が多い作品だそうです。筆者は女優の佐藤藍子さんに似ているかな!?と思っています。このモデルさん、モデルの契約が6時まででして、もうすぐ帰れるといった
目をしている、といったお話が独り歩きしているのだそうです。

1生島浩 5:55.jpg


以下、リーフレットからコピーした絵画でご紹介します。

五味文彦さんの〝いにしえの王を語る〟です。写真でもここまで緻密には表現できないと思います。

2五味文彦 いにしえの王は語る.jpg


前述の野田弘志さんの〝摩周湖・夏天〟です。リーフレットからのコピーですから、この緻密画のド迫力をお伝え出来ません。

3野田弘志 摩周湖.夏天.jpg


島村信之さんの〝日差し〟です。女性のブラウス、シーツのシワ・ヒダの表現が現物よりも現実に感じます。見飽きません。

4島村信之 日差し.jpg


石黒賢一郎さんの〝綾〇〇的な〟です。この絵画一つ置いて左側に、この絵と全く同じのモノクロームの画が展示されていました。今回の展示作品で最も写実細密画でした。写真よりも写真に近い画でした。

5石黒賢一郎 綾〇〇的な.jpg


青木敏郎さんの〝デルフトの焼物と果実〟です。青木さんは皮を剥いたレモンがお気に入りのようでして、他の静物画にも同じ皮を剥いたレモンが描かれていました。

6青木敏郎 デルフトの焼物と果実.jpg


藤原秀一さんの〝萩と猫〟です。現実の〝萩〟はこの画のように全木が一斉に開花しませんので、これほど綺麗ではないと思います。また〝猫〟ふんわりとした柔らかい毛、先っぽまで緻密に描かれており、見ていて怖いぐらいです。

7藤原秀一 萩と猫.jpg


森本草介さんの〝休日〟です。女性を描かすと彼が写実派の細密画では最右翼ではないかと思います。この画のすぐ右に〝横になるポーズ〟でセミヌードが描かれていました。それは兎も角、この画、どこかでご覧になったことは有りませんか!?筆者は瞬時に〝フェルメール〟を思い出しました。

8森本草介 休日.jpg


大畑稔治さんの〝陸に上がった舟〟です。写実を追及するあまり、この画の下半分の砂浜部分、現場の砂浜の〝砂〟で描かれています。恐ろしいばかりの写実精密画の追及です。

9大畑稔浩 陸に上がった舟.jpg


他にも〝風景画〟がありまして、大矢英雄さんの〝海の記憶に〟や森本草介さんの〝アキテーヌの湖畔〟は、画の上半分の〝空〟は全く描かれていません。真っ白です。あえて書いていないようです。これも写実精密画として興味深い描き方と思いました。


実はこの絵画展、人気があるとは聞いていましたので、コロナ禍で外出が憚れる中、どうしても行って見たくて行きました。想像以上に来館者が多く、全部で64点展示されていましたが、各画に一人といった混み方でした。入場時には検温、消毒と氏名を書きました。

今年になって生活必需品を購入する以外では、始めての外出でした。



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