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備前・旭川の憂鬱 ( 身もふたもないお話 21-04) [日記・雑感]


ジョンズ・ホプキンズ大学の特設サイト〝新型コロナウイルスの感染者情報:Coronavirus COVID-19 〟を眺めていますと、色々なことが想像できます。なおデーター、およびグラフは2021/01/25の17:00頃を参照しています。


筆者は各国の〝感染者数〟の推移が〝平準化〟されたグラフに注目しました。この感染者数はそれぞれの国の事情で全く同じ環境や条件で計測されたものではありませんが、それでも新型コロナウイルス感染状況をそれなりに反映していると考えられます。

このグラフの見方ですが、横軸は発生から今日現在までの〝期間〟を示しています。縦軸は感染者数を示していますが、その絶対値ではなく相対値でしめしています。黄色部分の面積が〝累積感染者数〟です。

先ずは我が日本です。確かに現在2021/01/25は3番目の波の中にありますが、メディアとは異なり〝ピーク・アウト〟して来ているのではないかと思われます。

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日本のメディアに何かと〝めでたい〟ドイツです。メルケル首相のリーダーシップがあり、感染の対策がキチンと取られているドイツは [うらやましい] というものです。

では感染者数を比較しましょう。日本は〝366,780人〟、ドイツは〝2,147,814人〟です。尤も、山中伸弥さんの指摘される〝ファクターX〟は頭の片隅に入れておく必要があります。

日本は第1波、第2波、そして第3波が明確に観測できますが、ドイツでは第1波は認められますが、第2波と第3波は重なっているように見受けられます。ドイツも第3波は終息方向です。

縦軸のメモリを比較しましょう。日本は〝10k〟ですから1万人、ドイツは〝60k〟ですから6万人です。日本の感染者数はドイツの〝1/6〟となります。実際黄色の面積がほぼ同じぐらいと見えますので、縦軸だけで比較しても間違いではありません。ただし、人口を加味すると、日本の感染者数はドイツの〝1/10〟となります。

〝菅政権の対応は方向性が無く、対応が遅い〟と言われていますが、ドイツのグラフを見て、日本が劣っているとは思えません。少なくとの筆者にはそう見えます。


続いて、この1年間、パンデミックに襲われ、大混乱したし、今でもしている欧州を見てみましょう。イギリス、フランス、イタリー、そしてスペインです。感染者数は、それぞれ、3,657,857人、3,112,055人、2,466,813人、そして 2,499,560人、です。

この4ヵ国は何れも感染者数のグラフに、第1波、第2波、そして第3波が認められますが、その形状は様々です。

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人口を考慮すると各国の感染者数は、現在の実数の大凡〝2倍〟となりますので、日本の〝20倍〟とビックリするような数になります。

フランスではロックダウン中でも、2,000人規模の夜間でパーティーを行ったとか、イギリスでは同じく200人規模の会食を行ったとか言われていますので、顕在化していない〝3蜜〟はこの何倍にも何10倍も存在したのでしょう。


大量の感染者を発生させている国々、アメリカ、ブラジル、インド、そしてロシアです。感染者数は、それぞれ、25,127,009人、8,844,577人、10,667,736人、そして 3,698,246人、です。

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アメリカのみ感染の第1波、第2波、そして第3波が認められますが、他の国々は第1波、第2波、そして第3波が重なっていると考えられます。

原因を調査していませんが、インドは顕著に感染者が減少傾向ですし、アメリカ、ロシアも減少傾向です。ブラジルのみ改善が見られません。ブラジルは、ブラジル型変異ウイルスが原因でしょうか?よく判りません。


比較的優等生と言われている国々、台湾、ニュージーランド、シンガポール、そして韓国です。感染者数は、それぞれ、889人、2,288人、59,352人、そして 75,521人、です。人口はそれぞれ、23.6百万人、5百万人、5.7百万人、そして52百万人です。

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日本と比較する意味でこれらの国々の感染者数を人口比で平準化します。感染者数は、それぞれ、4,520人、57,660人、1,311,990人、そして182,990人です。当初、優等生とメディアが喧伝したシンガポールも韓国も現状では日本と大差ありません。

やはりニュージーランドはアーダーン首相のリーダーシップと国民の努力でかなり感染を抑え込んでいる事が判ります。

〝台湾〟は23百万人の人口を抱えている事を考えると、見習うべき優等生と思います。若いIT技術者のリアルタイムの感染状況システムが功を奏していると考えます。我が日本国の最も遅れている技術でありますし、国民の個人情報の開示を嫌うという国民性のなせる業と思います

韓国のみ感染の第1波、第2波、そして第3波が認められますが、他の国々は顕著な〝波〟は認められません。


日本のメディアや知識人が常に〝出羽守〟になる、スウェーデンとスイスを見てみましょう。特にスウェーデンは当初、新型ウイルス感染に自然体で行く〝集団感染〟を志向したようです。スイスは未だ筆者は調査していません。

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感染者数は、それぞれ、547,166人、509,279人です。そして人口は、それぞれ、10.33百万人、8.55百万人です。大変類似した感染状況です。

日本との比較するために平準化した感染者数は、それぞれ、6,21,920人、7,505,160人と計算できまして、他の欧州諸国と同様、日本の〝20倍〟とビックリするような数になります。


最後にチャイナとカナダです。【チャイナ】はご案内の通り、統計の数値の信頼性がありませんので評価できません。

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カナダは先進国と同様、感染の第1波、第2波が認められます。感染者数は、752,040人です。人口は、37.53百万人ですから、日本と比較のため感染者数を平準化しますと、2,524,830人となります。これは欧州の優等生ドイツと同様の感染状況となります。


以上、長々と各国の感染状況を比較しました。日本政府が今回の新型コロナウイルスに対する施策・対策は、感染予防のワクチンや、感染後の特効薬が既存の季節性ウイルスのように〝無い〟状況では、試行錯誤を重ねて行くしかないと思います。試行錯誤を朝令暮改・行き当たりばったり、と揶揄・批判するのは簡単ですが、経験の無いウイルス対策では致し方ないのではないかと思います。

各国の感染者グラフを見ていますと、現在本当に早期に開発されました各社のワクチンが一定の人達に行き渡り、いわゆる〝集団免疫〟を獲得するまで現状が継続するものと考えます。特に日本の感染グラフを見ますと「緊急事態宣言」発出との2週間遅れの相関関係はなさそうです。



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