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備前・旭川の憂鬱 (「トランプ大統領の中間選挙」結果 18-110) [日記・雑感]


今回はどうやら直前の「世論調査」が正常に機能したようです。表面的な議席獲得数は〝想定の範囲内〟ですが、それでもオールドメディア、特に日本国では〝もっと民主党が勝っても良かったのでは?〟という恣意的思いが滲み出ていました。

この2年間、あれだけ世界中のリベラルやオールドメディアを敵に回した割には、議席を確保したと言えると思います。従来のスキームではあり得ない事象が起きてしまいました。ですから「世論調査」は外れた、と言っても過言ではありません。11月16日でも最終議席は決まっていませんが、議席の大筋は決まっています。


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投票率が高ければ、特に若年層が高ければ民主党に有利と言われて来ました。今回の米国中間選挙の投票率は49%で、これは例年の40%前後に比べて9%も高いそうです。総投票数は113m票で、100m票を初めて超えました。(m)は百万を示します。

今回の中間選挙、民主党の得票は51,79m票で共和党の46,19m票より5.6m票、6%も多く得票しました。2年前の大統領選挙でも同じく、ヒラリーの得票がトランプより数m票多かったはずです。これは選挙制度の問題ですから周知の事実でして、だから得票の多い方が当選が当たり前といっても、それは法治国家としてはダメです。

結局、民主党への投票率も上がりましたが、同時に共和党支持者もそれなりに選挙へ行ったのでしょう。


オールドメディアは選挙前に以下の波があり、民主党に有利である、と主張していました。その結果は、

❖ ピンク・ウェーブ:女性が204人立候補、半数以上当選しました。注目すべき女性やマイノリティも次々に当選しました。ほとんどが民主党からの出馬です。女性の上下院議員の数は11月7日現在、計117人、女性の州知事も50州中9人になりました。
❖ カバノー連邦最高裁判事:数10年前の女性暴行事件があり不適格と言われたが、結局上院で任用された。
❖ テーラー・スウィフト効果:有力芸能人が民主党を公然と支持した。
❖ 移民キャラバン支援者層:中米よりアメリカへ数千人がアメリカを目指してメキシコを経由中。
❖ 暴露本:これがそれほどトランプ大統領の痛手にならなかったと思います。

「初物」議員も次々に誕生しました。
 初のイスラム教徒議員(下院、女性、ミシガン州)
 初のアメリカ先住民議員(下院、女性、ニューメキシコ州)
 初のソマリア系議員(下院、女性、イリノイ州)
 初のゲイ州知事(コロラド州)
 初のレズビアン・アメリカ先住民議員(下院、カンザス州)

中には〝私は社会主義者です〟と暴走発言した初当選女性議員もいました。アメリカではタブー発言のようです。


しかし、共和党にも岩盤支持層がいました。彼らが今回の中間選挙でもさらに固い岩盤支持層を形作っていました。
1. キリスト教福音派:代表はマイク・ペンス副大統領です。
2. ユダヤ人
3. 白人至上主義者
4. ラストベルト白人工場労働者
そし得体の知れない
5. Qアノン:トランプ大統領を陰謀と戦う英雄とあがめ、トランプ氏の支持基盤の一部となっている。


トランプ大統領の投票日、翌日の最初のスピーチは以下の通りです。

『〝とてつもなく成功〟正直言ってほぼ完全勝利と思っている。選挙結果からわかったのは、人々は私が好きで私の仕事を快く思っている、ということだ。』

またまた「トランプ節」かと思いましたが、そうではありません。


片や、民主党勝利宣言 ナンシー・ペロシ院内総務のスピーチは以下の通りです。

『今回の選挙は民主党と共和党だけに関わることではありません。トランプ政権に対する憲法の抑制と均衡が蘇ったことを意味しえいます。』

おやおや、控えめですね。トランプ大統領を罵倒しても、選挙民の共感が得られない、と判断しているようです。日本の野党も参考にすべきです。


日本のオールドメディアは〝ねじれ議会〟となり、トランプ大統領の議会運営は困難を極める、とトランプ大統領に否定的です。

歴代のねじれ現象の対応例です。 

クリントン大統領の場合1994年、上下両院を失った。左から右に政策を変更・調整した。

オバマ大統領の場合 2010年、突っぱねた。政策を変更しなかった。議会運営で窮屈になり、レームダック化した。

どちらが賢明な選択をしたかは明らかです。



〝ロシア問題〟に関して下院でトランプ大統領を「弾劾」できるようになったと言っても、上院の〝2/3以上の賛成〟が無ければ「弾劾」は成立しません。ですからトランプ大統領は〝完全勝利〟と発言したのでしょう。 ナンシー・ペロシ院内総務の控えめな発言も、これを反映しています。


もっとも、国際政治学者の藤井厳喜さんによりますと、トランプ大統領の〝ロシア疑惑〟は冤罪である、と主張。ニクソン大統領の「ウオーターゲート事件」以上の民主党の権力乱用が行われた。アメリカの法治主義が危機に陥っている。

オバマ&ヒラリーの共謀collusionである。元Mi6のスティール・レポートではヒラリーと民主党がロシア情報を金で買った。

司法長官であったエリック・ホールダ―とロレック・リンチが、FBi&司法省に指示しトランプ陣営を違法で情報監視、盗聴していた。ロシア情報は100%ガセネタであって、これをFBiが盗聴、コミーもミュラーも同罪である、そうです。

この辺になると筆者の範囲を完全に超えていまして、判断がつかない以前に理解できません。


散文的でご理解頂けない所も多々あるとは思いますが、それでもトランプ大統領は2年前の「公約」を好むと好まざるとに関わらず、既に8割ほど達成しています。

批判も多々ありまして枚挙に暇がありません。セクハラの常態化、人種・宗教への差別発言、オールド・メディアとの激しい対立、いい加減な外交、等々あります。極最近ではカリフォルニア州の森林大火災の失言もあります。

それでも日本と同じでアメリカのオールドメディアが〝fake news〟を垂れ流している事もアメリカ国民は理解しています。拙blog 「報道の信頼性」 https://ironbridge-uk.blog.so-net.ne.jp/2017-08-05をご笑覧下さい。今まで日本人は欧米人に較べてメディアを信頼し過ぎていました。


トランプ大統領にとって下院がこの程度負けでは、議会運営に支障がないと踏んでいるようです。アメリカは日本と異なり「党議拘束」がありません。ですからトランプ大統領は民主党の穏健派に手を伸ばし、かき回す作戦で予算等を通していくのでしょう。


民主党支持のマイケル・ムーア曰く、次の大統領候補者が不在。ミシェル・オバマ? ハドソン川不時着パイロット チェズレイ・サレンバーガー三世?に人材をも求めて行かなければならない状況のようです。

2年後の大統領選挙も決まりか!?と思うと筆者も若干首を傾げたくなります。300m人以上もいるアメリカ人の中に、他の候補者がいないのか、と。



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