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備前・旭川の憂鬱 (〝一つのチャイナ〟ではなくなって来たか!? 21-42) [日記・雑感]


例によってオールドメディアは、一般人が気が付くような形で報道していないと思いますが、筆者は時事通信webとロイターwebで台湾の記事を見ましたが、どちらも同じですので【ロイター】を引用します。

【ロイター】欧州初の「台湾」名称、リトアニアに代表機関開設 2021/11/18
11月18日、台湾は、欧州では初めて「台湾」の名称を用いた事実上の大使館である代表機関をリトアニアに開設した。

台湾は18日、リトアニアに事実上の大使館である代表機関を開設した。名称は欧州では初めて「台湾」の名称を用いた。

台湾とリトアニアは、相互に代表機関を置くことで合意。中国は強く反発し、8月に駐リトアニア大使を召還する方針とともに、リトアニアにも駐中国大使の本国召還を要求していた。

台湾外交部(外務省)は、代表機関の開設は、リトアニアとの関係にとって新たな一歩とし、「共有する価値に基づく新たな友好関係を大切にし促進していく」と述べた。

一方、中国外務省は「リトアニア側はこれにより生じる全ての結果に対して責任がある」と指摘し、「リトアニア側がその誤った決定を直ちに訂正することを求める」とした。


手元のメモでは、リトアニア・チェコ・スロバキア・ポーランドが〝ワクチン〟を台湾に送っています。

最近ではEUや欧州各国と台湾は議員の方々の相互訪問が複数実現しています。勿論、あのチャイナは口汚くこの交流を非難しています。


一方、この一連の流れはアメリカの前大統領時代に顕在化 (例えば2018/03/21アメリカと台湾の閣僚や高官の訪問を法的に促し、関係を強化する「台湾旅行法案」) したと思います。

しかし既に「台湾関係法(1979/04/10制定)」が台湾に関するアメリカとしての政策の基本が定められており、事実上のアメリカと台湾との間の軍事同盟が存在していました。

〝一つのチャイナ〟という幻想は既になかったのです。アメリカはここ2年半で台湾に関係する法案を5個議決しました。「日本李登輝の会」http://www.ritouki.jp/index.php/info/20160710/ を参照ください。


〝一つのチャイナ〟〝一帯一路〟は幻想である事は2012年のリトアニアでその原型が見えます。

彼らはチャイナが支配的姿勢であり、投資、貿易、港湾、IT等で経済的利益が出ていないと気が付き失望しました。その結果、過度なチャイナ依存を止め、関係を離脱しました。

リトアニアは過去にソ連に支配された苦い経験があり、それと同じ轍は踏まないと決意したのです。

欧州各国のチャイナへの不満は、
 ● ギリシアの港湾の運営がチャイナの国営企業へ渡った。
 ● チャイナからの中・東欧への投資が進捗していない。
 ● チャイナ企業は国の補助金を受け、公正な競争を阻害している。
 ● チャイナの市場開放が進んでいない。
を上げています。


チャイナは過去に欧州列強に植民地化されたトラウマからか、あるいは清朝時代は世界のGDPの40%を占めたという栄光かは知りませんが、〝一つのチャイナ〟〝一帯一路〟という幻想である「チャイナの夢」とかという傍迷惑な思想をかざして傲岸不遜な行動を剥き出しにしています。


現在のチャイナは、〝倫理なき資本主義〟と〝独裁的権威主義〟が並行した最悪の体制です。メディアが色々と命名していますが、この体制の具体的行動は〝巨大市場を背景に他国を威嚇〟し〝武力による一方的な現状変更〟です。最近言われていのは〝経済の軍事化〟です。

ひょっとすると今のチャイナの体制が、我々が信ずる〝自由と民主主義〟より素晴らしいと、後世に評価される可能性もありますが...

確かに経済的には魅力的なチャイナかも知れませんが、カントリーリスクが大き過ぎます。政治と経済を完全に分離分割できる知恵があればいいのですが、まあ無いでしょう。


台湾は大陸のチャイナからどのように身を守るかですが、それは「現状維持」を錦の御旗にすることです。「独立」という言葉を使わない事です。

最近、台湾のパスポートが「中華民国 Republic of China」から「台湾 Taiwan」に代わりました。これは台湾が、自らの意思を世界中に向けてキッパリと発表したという事だと思います。

楽観過ぎるかも知れませんが、台湾が国家として世界から認められる日は、そう遠くはないかも知れません。



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