備前・旭川の憂鬱 (「笠岡市立竹喬美術館」再訪 19-85) [日記・雑感]
昨年末「笠岡市立竹喬美術館」で日本画の大家多数を展示した企画展がありました。
この美術館は、笠岡市の出身である日本画家「小野竹喬(ちっきょう)」を記念して、昭和57(1982)年10月に開館しました。立派な美術館です。小野竹喬は1976年(昭和51年)には文化勲章を受章されています。Linkを貼っておきます。https://www.city.kasaoka.okayama.jp/site/museum/
今回は〝小野竹喬〟単独で全館を飾っています。
「第一章 模索の時代」7月6日ー9月11日と「第二章 至純の時代」9月7日ー11月24日に分割されています。展示が全数入れ替わる訳ではありません。
最近の傾向として前期/後期と分離して展示されることが多いです、。国宝級の展示は年間何日までと決められていますので、企画展が長期にわたる場合は仕方ありません。
しかし、見たい絵が特定されている場合は注意が必要です。もっとも、この作戦は美術館側の集客効果を狙ったものでしょうか!?
<奥の細道 句抄絵 まゆはきを俤(おもかげ)にして紅粉の花>1976年
以下、リーフレットよりコピペします。
「第一章 模索の時代」展示の<奥の細道 句抄絵 あかあかと日は難面もあきの風(習作)>1976年
「第二章 至純の時代」展示予定の<奥の細道 句抄絵 暑き日を海にいれたり最上川(習作)>1976年
この絵は見ていませんが第一部と対比します。
<港>1911年 横浜美術館蔵
<奥入瀬の渓流>1951年 東京現代美術館蔵
<黎明>1960年 福田美術館 <夕茜>1968年 岡山県立美術館蔵
<鴨川夜景>1973年 京都文化博物館管理 <奥の細道 句抄絵
田一枚植ゑて立ち去る柳かな>1976年
京都国立近代美術館蔵
<奥の細道 句抄絵 <彩雪>1978年
浪の間や小貝にまじる萩の塵>1976年 ワコースポーツ・文化振興財団蔵>
京都国立近代美術館蔵
<郷土風景>1976年 京都国立近代美術館蔵
解説によりますと、この絵の中央真上の〝山〟はセザンヌの得意とした〝サント・ヴィクトワール山〟に触発されたとあります。
<清輝(試作)>1993年
展覧会の中に京都の画家仲間の集合写真がありました。竹内栖鳳が親分でして、小野竹喬、法隆寺金堂壁画の模写に従事した入江波光、
そして全くイメージが壊れた菊池芳文、彼は<小雨ふる吉野>という素晴らしい絵、芸大卒業作品があります。北の丸の東京国立近代美術館蔵になっています。画風から速水御舟を想定していました。この齢になってもまだまだ修行が足らん!と思う事しきりです。