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備前・旭川の憂鬱 (リニア新幹線と原発 21-09) [日記・雑感]


WSJ日本版に大変興味深い記事がありました。それは、「福島原発事故10年、冷え込む原子力の未来」です。リンクを貼っておきます。有料サイトですが、冒頭の部分は読むことができます。
https://jp.wsj.com/articles/nuclear-powers-prospects-cool-a-decade-after-fukushima-meltdowns-11614836910

冒頭の部分の一部を引用します。

〝【御前崎】ここ静岡県御前崎市の浜岡原子力発電所では、コンクリートの壁が海岸線に沿って約1.6キロ続いている。壁の高さは海面から約22メートル。想定可能な津波のほぼすべてに対する防御を提供する。

地元の反原発運動のリーダーである林克氏も、最近は原発と関係のない山間部のリニア新幹線に関する抗議活動に多くの時間を割いていると話した。

規制当局の姿勢と世論の動向から見て、同原発が近い時期に再稼働することはないと確信しているからだ。同氏は「福島で証明済みだ」と述べ、原発は危険だと主張した。〟

なーんだ、そうだったのか。


静岡新聞、2020/9/24、によりますと、

〝川勝平太知事は09/23の定例記者会見で、リニア中央新幹線工事に伴う大井川の流量減少問題を巡り、大井川直下部分でトンネル本線を掘る際の留意点に「高圧大量湧水の発生が懸念される」と記されたJR東海の非公表資料の存在について「隠していたとも取れる。地域住民の不信を募らせている」と指摘し、水問題を議論する国土交通省の専門家会議で該当する資料の公表を求める考えを示した。〟


完全に活動家の軍門に下っています。もっとも川勝平太知事ご自身にも、そのような性向があるとのウワサもあるようですが。


あらためて福島第1原発の放射線被害です。放射線の直接被害、死者は〝0〟です。当時の政権が悪戯に放射線被害を誇大評価し、不必要な避難を煽ったための〝避難生活者・災害関連死〟が多数発生しました。現在の〝避難生活者・災害関連死〟は、福島民報、2021/03/06(土) web版によりますと、

<避難生活者>
東日本大震災と東京電力第一原発事故に伴う県内外への避難者数は2020年12月現在、3万6746人 となっている。最も多かった2012年時(16万4865人)に比べ、12万8119人減少した。県内避難者(11 月30日現在)は7,439人、県外への避難者(12月8日現在)は2万9307人。

<関連死、今なお増え続ける>
県内の市町村が震災と原発事故に伴う避難による関連死と認定した死者数は2020年9月30日現在、2,313人となり、前年同期の2,277人より36人増えた。10年目を迎えた今も、避難などに伴う心労が被災者を苦しめている現状が浮かび上がる。


〝反原発運動のリーダー〟はスウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥーンベリ:Greta Thunbergさんと全く同じ行動形態です。ご自分は絶対的正義であるから、皆の者従え!といった自己中心主義、傲慢さが目立ちます。彼らは個人の満足度達成が活動の源泉です。

彼ら活動家に言いたい!日常の生活がどのように作られているか、ご近所・コミュニティーには同じ人間が生活しているんだよ!毎日食べてる食物、着てる衣服、住んでる家屋、生活の糧を得る職場、そこに至る交通機関とインフラ、健康維持の医療、生活に潤いを与えるエンタメ・スポーツ、等々、全部今自分の目の前のモノは、あって当たり前のもの、ではありません。

周りにあるものを誰がどの様に作り、誰がどの様に運び、誰がどの様に売って、今自分の目の前にあるのか、サプライチェーンとステークホルダーにほんの少しで良いから目を向けて頂きたい、と思います。そして人間生活や世の中は〝ゼロ・リスク〟はあり得ません。


活動家や原理主義者・過激派の方々には、科学を軽視される方がいらっしゃいます。活動する自由は当然ありますが、この〝科学的〟データーをご覧ください。

単位電力量生産・発電当たりの事故や公害による死者数です。上から順に、褐炭・亜炭は32人、石炭は24人、石油は18人、バイオマスは4.6人、ガスは2.8人、そして原子力は0.07人です。このデーターをどのように理解するか...

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日本が福島原発事故や一部の反原発活動家・過激派に翻弄されている間に、世の中は着実に「進化」しています。先ずは世界各国の原発の今後の動向です。そして建設予定です。

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国別原発発電量 - 625.jpg


そして、あのビル・ゲイツさんも〝原子力発電は再び政治的に受け入れられるだろう――石油、石炭、天然ガスよりも安全だ〟と述べています。原子力発電は原爆や放射性災害との関連によって得られた評判を克服しなければならないが、クリーンエネルギーの必要性は非常に深刻であり、原子力発電所の運営は温室効果ガスの排出を生み出さないからです。

ゲイツ氏によると、原子力技術の新たなイノベーション(投資家)は原子力エネルギーをより安全かつ手頃な価格にし、世界中の国々が原子力発電を採用し始めている、と発言しています。

具体的には、〝イノベーションには、水の代わりに液体ナトリウム(日本は失敗、廃炉となりました)を使用して原子炉を低圧で冷却することが含まれており、メルトダウンを避け、原子力発電所を小型化し、建設を容易にします。〟と言っています。

日本もいい加減に一部の反原発活動家・過激派に、世論を乗っ取られるテロ行為から目を覚まさないといけません。〝リスクよりも恩恵が上回る〟と判断する思考をしないと、日本人は益々貧乏になります。勿論、世界から今までのように尊敬されなくなります。



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