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備前・旭川の憂鬱 (岸田首相、COP26出席へ 21-38) [日記・雑感]


共同通信社 2021/10/26 配信を引用します。

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岸田文雄首相は26日、英国で開催される国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議 (COP26)に関し「私も出席し、議論に貢献していきたい」と明言した。官邸で気候変動対策有識者会議の報告書を伊藤元重座長から受け取った際に述べた。COP26は31日に開幕。11月1-2日には首脳級会合が予定されており、英国を訪れて会合に参加すれば首相就任以来、初の外国訪問となる。
首相は気候変動問題について「待ったなしの重大課題。岸田内閣としてもしっかりと対策に取り組みたい」と強調。「カーボンニュートラル」を挙げ「地球温暖化対策を経済の発展や豊かな暮らしにつなげる」とも話した。
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一昨年でしたか、小泉進次郎前環境大臣がCOP25で〝日本は石炭火力比率が高い、そして火力発電を輸出している〟といじめられて【化石賞】をありがたく頂いたのです。拙blog もご笑覧下さい。
https://ironbridge-uk.blog.ss-blog.jp/2019-12-15

こんないい加減な状況ですから、岸田首相が選挙戦の終了直後にもかかわらず、COP26へ出席されるのは国益を考えて英断です。


世の中、特に意識だけが高いメディアが大騒ぎです。頂けないのが〝日本は欧州に較べて二周遅れ〟とか〝これだけ「再生可能エネルギー化」が遅れているのは国民の意識が低すぎる〟といった、いつもの煽りです。

欧州の環境活動家や原理主義者のご意見を真面に受け止める必要はありません。彼らのご意見も、色々なご意見や考え方の一つに過ぎません。

日本でも地域が完全にグリーンエネルギーに変えた浜松市の例を上げ賞賛の嵐です。が、よく話を聞くと、水力発電が必要電力の半分以上を占めていまして、さらに電力が不足した時は中部電力より供給されるとか、アリャリャです。


〝そもそも論〟に返って「地球温暖化対策」を考えて見ましょう。

〝温暖化がCO2濃度に依存する〟という仮説がが正しいとした場合、人間は何をすればいいか!?〝CO2濃度を下げればいい〟訳でして、その手段は問われないはずです。勿論、その手段が二次災害や公害を発生させるのであれば、それは避けるべきです。

ですから「再生可能エネルギー」である太陽光発電の普及、風力発電の建設、といった発電だけが褒め称えられるのは明らかに間違いです。彼らが忌み嫌う「原子力発電」も極めて有力な「地球温暖化対策」電源です。


環境原理主義者らがいつも主張するのが〝ドイツを見習え!〟です。では現状をデーターで確認しましょう。

ドイツの電力事情2021 - コピー.jpg


ドイツは風力発電の比率が20%と多いのですが、これは日本の天然ガス:LNGと〝入れ替わり〟の関係です。太陽光は日本とほとんど変わりありません。

太陽光はドイツのように平地が広がる所に整然と配置されたパネルでも7.6%です。日本は平地が国土の30%程度です。それでも6.0%もの発電量を誇っています。土砂災害・景観保全から現状がせいぜいでは無いでしょうか。

石炭・褐炭火力発電もドイツでもベースロード電源で現役です。石炭火力も日本の技術、二酸化炭素回収・貯留:Carbon Capture and Storage (CCS)や、AZANE:鎖式飽和窒化水素(ex.アンモニア)混焼技術でCO2排出を大幅に抑制できます。

何でもかんでも〝再生可能エネルギー〟とか〝グリーンエネルギー〟へ、それも短期間で転換せよというのは、余りにも人類をバカにした議論です。再生可能エネ・ファシズムです。


最近、欧州は風が吹かないので(自然エネルギーですから当然です)その代替をLNGへ求めました。

Der_Spiegel_19_2019__Murks_in_Germany - コピー.jpg


その結果、ロシアとの地政学的リスクと相まってLNG価格が暴騰しています。カントリーリスクの高い国から安全保障を考えずに、パイプラインでLNGを購入する愚挙を経験しています。


欧州の電力不足に関して、メルケルさんの盟友、フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長は彼女のtwitterで〝原発〟の可能性を示唆しています。

EU general JPN - コピー.jpg


このようにCOP26では、環境活動家や原理主義者が暗躍します。日本は日本独自の【エネルギー安全保障】より、エネルギー危機の歴史や国際協調の程度の〝確たる考え方〟を固めて、悪戯に協調路線を歩む必要はありません。



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