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備前・旭川の憂鬱 ( 「笠岡ベイファーム」の観光菜の花 20-15) [日記・雑感]



「笠岡ベイファーム」は岡山県と広島県の県境に在ります。岡山県の最西端の街です。最近はお笑い芸人〝千鳥〟の出身地として僅かに少しだけ〝有名〟になっているのかな!?

その「笠岡ベイファーム」ですが、瀬戸内海の笠岡湾を埋め立てた農地ですが、今風に水産物を含む〝道の駅〟や、今回ご紹介する「菜の花」で頑張っています。季節により〝ヒマワリ〟や〝コスモス〟で一年中の集客を目論んでいます。

「笠岡市立竹喬美術館」を鑑賞後、少し足を延ばし「笠岡ベイファーム」の〝菜の花〟を見て来ました。かなり広大な菜の花畑です。丁度、満開でした。

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この菜の花畑が終わると、次の菜の花畑がスタンバイしています。なかなかのアイディアです。こちらのスタンバイ畑には「観覧デッキ」が準備されています。一週間から二週間後にはこちらが主戦場となるのでしょうか!?

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運転できる限り一年に一回ぐらいは「笠岡市立竹喬美術館」の「企画展」とセットで訪れたいと思います。






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備前・旭川の憂鬱 ( 近代花鳥画の名手・菊池芳文 「笠岡市立竹喬美術館」 20-14) [日記・雑感]


岡山県にも、いわゆる箱物・美術館が数多くあります。このBlogでも時々紹介させて頂いています。

特別な美術館である倉敷の「大原美術館」は別格としまして、「岡山県立美術館」を筆頭に各市町に必ず一つはあります。その中でも《特別展》で秀逸な美術館に「笠岡市立竹喬美術館」があります。毎年一回は《特別展》の観覧に出向きます。

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今回は〝《特別展》近代花鳥画の名手 菊池芳文〟を観覧に行きました。〝菊池芳文〟は、竹内栖鳳や谷口香嶠、都路華香とともに「楳嶺四天王」の一人に数えられ、京都画壇において、重要な位置を占めるようになり、明治40(1907)年に開催された第1回文科省美術展覧会では審査員と務めています。しかし〝竹内栖鳳〟ほどは評価が高くなかったと思います。

筆者は四半世紀前に東京芸大の美術館で〝菊池芳文〟の「小雨ふる吉野」彩色・絹本・屏風六曲・一双を見たときは本当に素晴らしいと思いました。この屏風は現在北の丸の「東京国立近代美術館」に納められています。10年ほど前に再度見ましたが、素晴らしいの一語です。

その〝菊池芳文〟の「特別展》近代花鳥画の名手 菊池芳文」ですので昨日出向きました。約50点の展示です。リーフレットよりコピペします。

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           桜花群鵜図・一部分


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    桜花群禽          春雨吉野山之図


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              百花百鳥之間

1905(明治38)年リエージュ万国博覧会に出展した室内装飾「百花百鳥之間」の4壁画を覆う巨大な綴織絵です。川島織物の依頼の裏綴織絵です。


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    秋草鴿(部分)           時雨紅葉之図


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     小鷹狩之図                清渓


地方の美術館も頑張っています。



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備前・旭川の憂鬱 (「地方創生」路面電車乗り入れを含めた岡山駅前広場整備事業 20-12) [日記・雑感]

以前より筆者は当blogで「地方創生」のアイディアを紹介してきました。その中で街の活性化の一助として、そして高齢化社会には現存の《トラム》の活用と延伸が最適と主張してきました。一昨年やっと実現しそうなところまで概念設計が終了しました。
https://ironbridge-uk.blog.ss-blog.jp/2018-10-12  も参照ください。

最近、実現の暁には交通体系が問題なく円滑に運営できることを確認するために、そして懐疑派(婉曲用法です)を納得させるために、トラムが岡山駅に乗り入れたことを想定し、その時の信号機の時間を実際に調整した社会実験を行いました。

この手法は懐疑派を納得させるために、実に効果があります。その結果いよいよ予算が計上されました。


〔事務事業名〕 路面電車乗り入れを含めた岡山駅前広場整備事業
1 事業趣旨
 まちなか魅力向上やにぎわい創出を図ることを目的に、回遊性向上、ひいて中心市 街地活性化に資するよう、公共交通利便性向上を進めます。  今後高齢社会進展を見据えると、公共交通充実喫緊課題であり、そ中でも路 面電車岡山駅前広場へ乗り入れ、市民もとより来訪者利便性向上や中心市街地 で回遊性向上につながります
2 事業内容
(1)駅前広場整備及び交差点改良に必要な用地買収、地下街補償算定、整備工事
(2)路面電車軌道整備等に対する補助
(3)歳出額 559,300千円 (国庫支出金:260,500千円、地方債:134,900千円、
   一般財源:163,900千円)

その他同類の施策として、

❖ 路面電車のネットワーク化 30百万円(22百万円)
中心市街地の移動の円滑化を図るために策定した「岡山市路面電 車ネットワーク計画」に基づき、大雲寺前電停から西大寺町電停まで の区間における都市計画法の手続きに必要な予備設計等を行います。

❖ 鉄道の利用環境改善(桃太郎線LRT化) 63百万円(47百万円)
桃太郎線について、鉄道の利用環境を向上させ、沿線地域の活性化や観光振興を図る ため、併用軌道区間の都市計画手続きに必要な準備や駅前広場・アクセス道路の設計等を 行います。
https://ironbridge-uk.blog.ss-blog.jp/2019-02-01  も参照ください。

❖ 歩いて楽しいまちなかの回遊性向上と賑わいづくり 6億80百万円(2億48百万円)
歩いて楽しい、賑わいの拠点づくりに取り組みます。
・県庁通りについて、歩道の拡幅、車道の1車線化、自転車走行 空間の確保等による再編を行います。また、官民連携により、道 路空間の利活用や低・未利用地等の有効活用に向けた取組を行 います。
・街路樹・公園樹木の質の向上、ボリュームアップを行います。

【拡充】
・西川緑道公園について、歩行者天国の定期開催の支援などを行 います。

・旭川を拠点として、烏城公園(石山地区)での仮設オープンカフェ 開設とも連携した公園活用の推進や旭川さくらみちの桜並木の 保全を実施します。

これも現実に道路幅を圧縮し通行や渋滞が回避できるか、一昨年と昨年、社会実験を数回行いました。


広井良典さん著『人口減少社会のデザイン』2019(内容に関して筆者は総てに賛意は持っていませんが)でも以下のように主張しています。

地域ないし国土の構造として、「多極集中」という方向(都市や地域の「極」が多く存在しつつ、それぞれの極は集約的な街(筆者注:原文はひらかなで〝まち〟)になっているという姿)を実現するとともに、「コミュニティ空間」という視点を重視した(ドイツなどヨーロッパに典型的な)〝歩いて楽しめる街つくり〟を積極的に進める。

今、岡山市が進めている施策は、まさにこの発想に基づいています。大森雅夫市長を支持します。と同時に「地方選挙」も大切ですよ。


参考に産経WESTをコピペします。日経も他紙、NHKもありますが、これは産経WESTを採用します。

JR岡山駅前への路面電車乗り入れ「交通に影響少ない2020.2.16 17:54産経WEST
 JR岡山駅の駅前広場への路面電車乗り入れを計画している岡山市は、実現した場合の周辺交通について「影響は少ない」とする調査結果をまとめた。バス事業者から渋滞の懸念が示されていたが、予定通り令和4年度までの乗り入れを目指す。

 岡山市では1月26、27日の2日間、乗り入れた場合の電車の通行を想定し、車道の青信号の時間を短くする実験を実施。東西方向の青信号を36秒から25秒へ、右折信号を11秒から10秒へそれぞれ短縮したが、ピーク時の27日午前9時台でも、青信号24回のうち1回の信号でバスが渡り切れなかったのは5回、計8台にとどまった。市は影響は軽微とみて予定通り工事を進める。

 路面電車は、自動車社会からの脱却が進む平成終盤から全国的に注目されているが、岡山市内では使い勝手の課題が指摘されている。

 現在は岡山駅から電停まで徒歩で180メートル。横断歩道を2回渡るか、地下道を経由する必要がある。新電停は100メートル駅寄りの位置に建設され、歩く距離は40メートルに短縮。電車やバスから乗り継ぎやすくなる。

 また、現在の路線は中心部外周の半円しかカバーできておらず、岡山市役所やショッピングモールの「イオン」などの主要施設の前を走っていない。同市はこれらの施設前に延伸することで半円を円とする「循環」を長期的に計画。新電停では、市役所やイオン方向に線路を走らせるための整備も併せて行う方針。


※CMTがXになっています。何かの操作ミスと思います。ご容赦を!



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備前・旭川の憂鬱 (ロシア領土譲渡禁止案に〝アイディア気に入った〟 20-11) [日記・雑感]


「キャッチ!世界のトップニュース」2020/02/14 で《ロシア領土譲渡禁止案に〝アイディア気に入った》の副題で放映していました。

大変興味あるニュースですので、文字起しをしました。

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各語句を綿密に正確に調べて〝既に憲法にあるものについては、骨抜きにしないように〟とプーチン大統領は13日憲法改正委員会の準備作業グループのメンバーに呼びかけました。

〝既に多くの提案が出されています。全ての提案が憲法に入る訳ではありませんが、作業グループは有用な提案が失われないようにしなければなりません。〟

1ヶ月の作業の結果、憲法改正に関して400の提案が出され、体系化され編集され大統領に提案されました。1993年に採択された憲法は(筆者注:現在の)政治・経済を考慮し改正を必要としています。

作業グループのマシコフさんです。「ロシアの領土の譲渡の禁止、引き渡しはいけない。領土交渉すら行ってはいけない、と憲法に規定すべきだ、と考えます。」
<出席者がニヤニヤ笑っている映像が映し出される>

プーチン大統領は〝パートナー国といくつかの問題については交渉中ですが、その考え自体が気に入りました。それでは法律家にどう適切に表現するのがよいか依頼します。〟プーチン大統領は各委員の意見に耳を傾けました。

今後は下院に評決にかける準備が揃うまで憲法改正の作業グループ内での議論が続きます。
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まあ何と理路整然とした議論がなされている事でしょう!驚きです。これではどんなに安倍総理が情熱を持ってロシアと何回交渉しても埒が明きません。


筆者は最近漏れ聞こえてくる情報より、北方領土交渉に対して珍しくネガティブです。なぜならば「日米安全保障条約」が最大のネック、というよりノックアウトテーマとなっているからです。

ロシアは北方領土を日本へ返還した場合、その島に米軍の基地が作られることを極めて重視しているからです。これは素人でも理解できます。では〝「北方領土」と「日米安全保障条約」のどっちを採るのだ〟と言われれば、筆者は後者です。

択捉島(面積は3186.64km2 長さは約214km)も国後島(面積は1489.27 km2、長さは123km)も細長い島で、沖縄本島(面積1,206.98km2、長さ106.6km)より大きい島でして、海洋資源(魚だけではない)、観光資源に恵まれています。島民の方々の郷愁の念は勿論ありますが、日本国の領土という観点からも重要な国土です。


ロシアの今朝のニュースの「ロシアの領土の譲渡の禁止、引き渡しはいけない」の件です。日本国の立場は、外務省HPよりコピペします。

北方四島が我が国の「固有の領土」であることの根拠は何ですか?の問いに、

北方四島はいまだかつて一度も外国の領土となったことがない我が国の領土です。

日露両国は、今から150年前の1855年2月7日に調印した日魯通好条約により、両国の国境を択捉島とウルップ島との間に定めました。その後1875年の樺太千島交換条約において、我が国は千島列島(シュムシュ島からウルップ島までの18島。)をロシアから譲り受けるかわりに、ロシアに対して樺太全島に対する権原、権利を譲り渡しています。

ソ連は、第二次世界大戦末期の1945年8月9日、当時有効であった日ソ中立条約を無視して、我が国に対し宣戦布告し、我が国のポツダム宣言受諾後の8月18日には千島列島に侵攻し、その後29日から9月5日までの間に北方四島のすべてを占領し、一方的に自国に編入しました。

なお、1951年のサンフランシスコ平和条約で我が国が千島列島に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄しましたが、そもそも北方四島は千島列島には含まれていません。また、ソ連は、サンフランシスコ平和条約への署名を拒否しました。

とあります。この公式見解と今朝のニュースとは完全に齟齬を来たしています。彼らは最近〝北方4島はロシア領である事は議論の余地が無い。〟と公言しています。この実効支配を踏まえてのロシアの憲法改正議論のように思えます。

日本国では、このように法律家から憲法改正の議論が出る、なんて〝夢のまた夢〟です。

それにしてもロシアの現体制は《恐ロシア》です。



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備前・旭川の憂鬱 (2月中旬の旭川(あさひがわ)散歩 20-10) [日記・雑感]


世の中は申し訳ありませんが〝新型コロナウイルス〟一色でして滅入っています。今日2020/02/13の午後は天候も回復し〝はれま〟も見えて来ましたので、いつものウォーキングに出かけました。

少し歩いただけですが、かーるく汗を感じました。空を見上げても〝冬の空〟ではありません。でも〝春の空〟でもありません。季節感の無い微妙な〝空〟です。

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上流へ少し歩きました。丁度、山陽線の上り電車と、岡山-鳥取間を運転している「スーパーいなば」が旭川(あさひがわ)鉄橋ですれ違うところです。

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旭川(あさひがわ)の右岸の堤防は、まだまだ冬の風情です。見るからに寒々としています。

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でもスイセンが散在しています。スイセンは冬の花でして〝春〟は感じませんね。

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堤防沿いのご家庭のお庭にはクリスマスローズが咲いていました。開花時期‎は ‎1月から4月頃でしょうか。

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堤防沿いの〝桜〟まだまだ冬模様です。今年は本当に暖かい日が続きまして、筆者のような老人には優しい冬でした。

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帰宅後TVの天気情報を見ますと、今日は最高温度が19℃?でして、現在の気温も17.7℃とか。それは温かいはずです。

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ところが、来週は再び〝氷点下〟の朝が続くみたいです。〝新型コロナウイルス〟早期に終息してくれればいいのですが、まだまだ続きそうです。国内でパンデミックにならない事を切に希望します。



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備前・旭川の憂鬱 (なぜ民主主義は苦境にあるか、いかに解決するか 20-09) [日記・雑感]


トランプ大統領の誕生以来、従来から云われてきた「民主主義は死んだ」とか「ポピュリズムに民主主義は殺された」とか、の声が以前にも増して大きくなっています。ただ非難の言語が激しいのでチョットどうかな?本質は外れているな!とは思います。

ドイツでは2020/02/05「自由民主党 FDP」所属ケンメリヒ氏が旧東ドイツ・テューリンゲン州首相に選出されました。がしかし、「国政与党のキリスト教民主同盟 CDU」と右派「ドイツのための選択肢 AfD」の支持で当選がケシカランとの世論の声を受け、ケンメリヒ首相は02/06、辞任と州議会解散の意向を表明しました。

南アフリカを国賓訪問中のメルケル首相が、自身の母体政党であるCDUがAfDと手を組んだことについて「許されない」と非難、撤回を要求するなど政治的な混乱が広がっています。筆者はドイツの法律や選挙法は全く知りませんが、法的には問題ないようです。
 
イギリスではご案内の通り、Brexitで国論を二分する混乱が3年近くも続き、昨年末の総選挙でやっと結論が出されました。「民主主義の母国」と言われる国での混乱に〝一体全体「民主主義」とはなんなんだ!?〟と考えざるを得ませんでした。

結局、結論を出すためにテリーザ・メイ前首相の生首を差し出しました。これも民主主義のコストなんですかね。

フランスでは「黄色いベスト運動」が長期に継続しています。【年金改革】で論争が起きています。日本とはかなり異なる年金制度のようですが、支給年齢を上げる点では同じです。

民主的と思われる決定も受け入れられない、という事です。フランス国鉄SNCFのストで国民生活が困っている、とメディアでは報じられています。日本と異なり、スト参加者が〝暴徒〟になるという事です。1970年代以前は、日本でも破壊活動を伴うストが発生していました。

アメリカでは大統領選挙が進展していますが、相変わらずの堂々巡りの議論です。アメリカも1776年の独立宣言以来、自由と民主主義、法の支配、自由主義経済の〝旗手〟として世界の秩序を〝軍事〟を伴い引っ張って来たはずですが、ナンシー・ペロシー下院議長の行動を見るとアリャリャです。

トランプ大統領も〝選挙公約を実行するんだ〟と意気込むことは、民主主義を体現するには正当かも知れません。しかし、彼は〝無意味で無駄な些事〟が多すぎます。少し前の日本のベストセラー流にいえば「国家の品格」が無さ過ぎます。

日本では相変わらず〝アベガー〟です。確かに長期政権で、何だか疲れて来たなあ、飽きて来たな、とは思います。

この数年、安倍政権を攻撃して来たスキャンダルは週刊誌ネタが中心です。野党はその下請けをやっているに過ぎません。まあ問題はありません。「桜」も極めて厳密に法律に当て嵌めると公職選挙法違反かも知れませんが、大した問題ではありません。

唯一例外は「日本共産党」が発掘したと思われるカジノに関する違法献金、それも外国資金の流入です。これは日本の民主主義を大きく揺るがす〝大事件〟です。当事者は即刻辞任モノです(怒)。
現状は〝容疑者〟ですが...



そんなこんな事を考えていました。するとGerald F. Seib氏、WSJのチーフコメンテーターの興味深い投稿を見つけました。The Wall Street Journal 2020/01/21 https://jp.wsj.com/articles/SB10043423318217253417304586151452367319320

民主主義は決して政府の最良の形態を意図したものではなかった。むしろ民主主義の美徳は単に、統治される側の利益を統治する側の利益より優先することにある。

しかし今日、世界中の民主主義国家は通常よりも混乱し、機能が低下しているように見える。独裁的リーダーら(筆者注:プーチンを具体的に指摘しています)がこうした傾向を声高に指摘し、そこにつけ込もうとする一方で、民主的リーダーらは何かが軌道を外れてしまったのではないかと思案に暮れている。

そしてアメリカ、カナダ、インドの民主主義の現状を述べ、

民主主義の苦しみの理由を一言で説明することはできない。いくつかの要因が重なり合い、結合力のある社会や連立政権を生み出すことがより困難になっているのだ。

西側の民主主義国では、2007年に始まった金融危機によって打撃を受け、着実で公平な経済成長を監督する政府の力への信頼が失われた。この危機により、経済のグローバル化が経済のはしごの最上層にいる人たちにとって有益であるのと同様に、中間層や下層にいる人たちにとっても有益だとの考えへの信頼も失われ、一部の米国人に自分たちの悩みは政策立案者らにとってほとんど重要でないと思わせる結果となった。

外交問題評議会(CFR)のリチャード・ハース会長はこう述べた、とあります。

現在は小さなコミュニティーを形成する能力が事実上無制限になっている。このため国家的なコミュニティーの形成が一層困難になっている。

こうした心理は、ポピュリズムとナショナリズムの台頭を後押しした。ポピュリストの運動は、民主主義社会のエリートに対する怒りと恨みを煽り...民主主義社会が育むはずの幅広い中間層から人々を引き離し、より小さな基盤に依存する政府を誕生させる。この結果、統治する側が効率的に業務を遂行することがより困難になる。

そして独裁国家の指導者が以下のように行動しているようです。

権威主義的な政府、とりわけロシアと中国の政府は、こうした傾向が西側の民主主義の欠陥の兆候だと指摘するにとどまらず、その問題を悪化させるような手段を講じている。

トランプ大統領のロシア問題やウクライナ問題もこの辺りと関係が在るのかも知れません。日本も例外ではないと思います。そしてSeib氏は以下のように結論付けています。

究極の処方箋は、民主的に選出された指導者たちが、選んでくれた人々だけでなく、政治的分裂の反対側にたまたま位置する人々の声にも、より真剣に耳を傾けることなのかもしれない。



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