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備前・旭川の憂鬱 (「議論できる憲法改正(その2)」 18-96) [日記・雑感]


最近、憲法議論に従来の憲法学者や護憲勢力とは異なる〝人種〟が、オールド・メディアにも露出しだしました。

例えば言語明瞭に発言される「伊勢崎賢治さん」や、「篠田英朗さん」です。彼らとは憲法改正の〝議論〟が可能です。なぜならば議論することを否定しないばかりか、憲法改正の〝提案あるいは代案〟が明示されています。



「伊勢崎賢治さん」の考え方を筆者が勝手に理解した範囲でご紹介します。あくまでも論点は〝憲法を議論しよう〟です。

伊勢崎賢治さんの立場は〝国際法ありき〟です。「国際法」とは、ほとんど「国連憲章」と言ってもよいようです。筆者は伊勢崎さんを批評や批判する知識も能力もないのですが、ただ言える事は、現状の「国連」や「国際法」を過大に評価されているように見受けられます。


次回ご紹介しようと思う篠田英朗さんも「国際法」順守のお考えです。これは共通しています。そして日本国は〝国際社会の一員として行動をとるべき〟と主張されています。「一国平和主義」はあり得ない、も共通しています。

もう一つ共通している事があります。〝「交戦権」という権利は国際法上存在しない。よって、交戦権を認めない、と言っても無いモノは認めようがない〟と。



伊勢崎賢二さんは、NGOや国際連合職員として世界各地の紛争地での紛争処理、武装解除などに当たった実務家でして、『僕は、20代から国際組織の現場の長をやらされ、どういうわけか、そこが戦争状態になったりして、その中で下した命令が部下の命を犠牲にすることを繰り返してきました』 と仰っています。

ですから日本の憲法学者、サヨクさん、ジャーナチズムや故福田赳夫総理の〝人命は地球より重い〟とは異なったご意見をお持ちと思います。

「伊勢崎賢治さん」はほぼ毎日tweetされています。言語明瞭でして、学者としてはかなり過激なご発言です。その極最近の一部をご紹介します。


まずこれから。

伊勢崎賢治@isezakikenji 10月10日
9条2項は自衛権を否定しない。ただそのために護憲派憲法学が構築した苦し紛れの言い訳は、その自衛権を制限する国際法を無視して(戦力として国内法の整備をしなければならなくなるから)、人間に保障すべき人権を国家の暴力である自衛権の根拠にするという暴挙です。護憲は一度全解体すべきです。

伊勢崎賢治@isezakikenji 9月26日
9条制定前から厳禁されている侵略戦争を、わざわざ交戦権として放棄する国際法上の必要性はありません。日本が今までも侵略戦争をしてこなかったのは9条のお陰ではなく、それをやったら誰でも全世界を敵にさせ、(「国連憲章」第53条の)旧敵国条項で日本を世界で一番武力行使のしにくい国にしている国連憲章のお陰です。

今までの通説とずいぶん違いますね。さらに日本国は戦後なぜ戦争をしなかったか!?に対して、

伊勢崎賢治@isezakikenji 日時転記漏れ
世界で一番戦争をするアメリカに従属でも、日本が平和だったんだから、それが9条の力だ。ある護憲派憲法学者が僕に言った言葉です。いえ、それはアメリカの力です。

チョット待ってください。余りにも明快なご主張です。総てこんな調子です。そして「日米地位協定」を厳しく批判されています。

伊勢崎賢治@isezakikenji 10月9日
日米地位協定の異常性(願わくば朝鮮国連軍地位協定も)に関する報道が増えてきたことを喜びます。しかし日本が逆の立場でアメリカを上回る異常性を発揮する日ジブチ地位協定の問題を扱わないのは人道、人権の立場から不当です。メディアの方々。日本の加害者性を併記しない取材はお断りします。


そして立憲民主党への伝言です。

伊勢崎賢治@isezakikenji
立憲民主党外交安保部会で講演。地位協定について。日米地位協定の破棄ではなく改正がアメリカとの法的な対等性の獲得を目指すなら、9条2項の護憲は最大の障害になると結論すると、さすがに皆さん頭を抱えていた。悩んでください。今まで考えずにきたのですから。


日本国内議論は、必要最小限の実力が犯す殺傷と破壊なら国際法が国家の戦力を戒める「戦争犯罪」には当たらない。だから法整備は不要、は大間違い。

コスタリカは、国家の実力はどんな最小限のものであっても国際法が戒める「戦争犯罪」を犯す可能性がある。だから法整備は必要。コスタリカが正しく九条護憲は間違ってます、と。


そして伊勢崎賢治さんの憲法九条の改正案は下記のようです。

a伊勢崎案.png


現行憲法九条は下記の通りです。

b現行憲法.png


この改正案は伊勢崎賢治さんの憲法に関して「戦力統制規範」に基づくべき、との主張から来ています。

c戦力統制規範.png


この中には、憲法学者、護憲勢力、サヨクさんやジャーナチズムが目をむくような〝徴兵制〟まで包含されています。この〝徴兵制〟は拙blog「欧州での徴兵制の復活の兆し」 https://ironbridge-uk.blog.so-net.ne.jp/2018-06-27 も参照ください。

次回は「篠田英明さん」を取り上げます。



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